~side翔~
妹へのあってはいけない感情が芽生えたのはいつだっただろうか?
昔のことすぎて覚えていない。
覚えていないけど、確かに今。
僕は妹のことが大好きだ。
父性愛。
最初のころはそんなものだろうと思っていた。
いや・・・。
そうであってほしいと思っていた。
だけど、違った。
紗希を見れば、自然と笑顔になる。
嬉しくなる。
そして・・・誰にも渡したくないという独占欲がわいてくる。
その感情がいけないものだってわかっていても。
自分には嘘がつけない。
紗希が目の前にいたら抱きしめたくなってしまう。
だけど、抱きしめてしまったら終わり。
兄妹としてやっていけなくなる。
だから、僕はいつも我慢している。
いつだっただろうか。
紗希が結婚する夢を見たことがあった。
どっかの男と。
僕が知らない男と。
結婚式場で2人はキスをした。
その瞬間胸が張り裂けそうになった。
目が覚めた時、怖いと感じた。
ここまで妹を好きになっている自分に。
異常。
僕が妹に恋をしていると知ったらみんなこういうだろう。
親友に相談した時もそうだった。
「まじでか・・・お前・・・」
「うん。こういうのってやっぱまずいよな?」
「当たり前だ。てか、どうやったら妹を恋愛対象に見れるのかわからん。女なんてこの世にはたくさんいるんだぜ?」
「いるけど・・・その中で妹が一番好きだったんだ・・・」
「はぁ・・・」
大介は呆れ気味にため息をついた。
ため息をついた後、机の上に座って鍵を指で振り回しながら「う~ん・・・」とうねる。
鍵を回すのは考え込んでいる時の大介の癖だ。
こういう時の大介はすごく頼りになる。
的確な答えを僕に助言するから。
大介が考えている間、手もちぶさたになった僕は、開いていたドアから教室のベランダに出て、夕陽を眺める。
夕陽は綺麗な黄土色。
秋じゃなくても十分いとおかし。
なんて。
川沿いを歩いているカップルが見えた。
手を繋いで仲良く歩いている。
その二人の絵もサマにはなるけど夕陽には勝てない。
比べてしまったら、風景の一部にしか残らない。
けど、それは僕から見たらの話だ。
あの二人には、夕陽というものが風景の一部。
自分たちをより綺麗に写してくれるものにすぎない。
あくまで主役は自分たち。
自分たちを越える者などいない。
そう思うのが人間であって。
僕はそう思っているであろう彼らを軽蔑したりはしない。
誰だって自分中心。
いや、それは語弊があるかもしれない。
自分と自分の大切な人中心。
かな。
・・・なんて暇つぶしには奥が深すぎる話。
この話を議論したら何時間かかるかわかったもんじゃない。
「なぁ。翔・・・」
なにかいい方法が思いついたのか、大介がカギをポケットにしまって口を開いた。
「・・・ずいぶん長いCMだったな」
「まだ5つぐらいだろ?」
「もっとだ。視聴者は飽きてチャンネルを回し始めるぞ」
「ごめんごめん。ていうかお前のために考えてやってるんだけど?」
「ああ・・・そうだったな」
風が強くなってきた。
僕は、教室の中に戻ってドアを閉めた。
「お前は妹と付き合いたいのか?」
「・・・いや。それは無理だって分かってる」
「じゃあ、どうしたい?」
「紗希のことを考えないようにしたい。妹として見れるまで」
「だったら、無視し続けるってのはどうだ?」
「は・・・?」
「妹は所詮兄妹としか見てないんだから、無視されたって機嫌悪いんだなぐらいにしか思わないだろ?それともなにか?妹も自分のことが好きとか?」
「そんなことはないと思う。無視し続ければ・・・変わるかな?」
「きっと。俺は変わると思うよ」
「わかった。やってみる」
「頑張れ。翔の心から妹が消えればいいな」
「ああ・・・」
妹の気持ちなんか全く考えない自己中なやり方。
それでも・・・いい。
早く自分の心から禁断のこの想いを捨ててしまいたい・・・。
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今回は色は変えません。
見づらくなるのでww
あと、男と女だから大丈夫かなって。
自分の中で答えを出した翔。
だけど・・・。