最終話 Mi piace | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

そんなキスは瞬きすらできないほど早く終わった。


一瞬。


いままで、私がしてきたキスからは想像もつかないほどの早さ。


椎名君は、キスが終わった後、顔を赤らめて下を向く。


「今の・・・ファーストキス?」


「う・・・ん・・・」


「もう少し頑張ろうよ」


「いや・・・無理・・・」


椎名君は踵を返してまた歩き出す。


キスはこれの一回きり。


少し物足りなさを感じながらも、こういう恋愛もありなのかなと思った。


百貨店を出る。


時刻は夜8時くらいだろうか。


さっきより人が多くいるこの表参道。


私たちは、離れないように手を繋いで、なるべく人がいない脇道を探す。


椎名君の背中が見える。


華奢。


一言で表せばそうなるだろう。


だけど、体格以上に言葉では表せない頼もしさがある。


彼に身を任せて足を進める。


五分くらい歩いたところでやっと私たちは人が少ない脇道に入ることができた。


その脇道には、店がほとんどない。


人の量は店の数によって比例していく。


当然、あまり明るくなく、店が少ないところは人は好まない。


好むとすれば、イチャイチャしたいカップルくらい。


でも、椎名君は違う。


そういう意味で脇道へ入ったわけじゃない。


「人多すぎだね・・・」


「そうだね」


「この後どうする?」


「任せるよ」


「ん~・・・」


椎名君はまた困った表情を浮かべた。


「とりあえず、あまり大通りには出たくないよね」


「そうだね。でも、でないと何もないよ?」


椎名君は辺りを見渡しながら言った。


「そうだね。もう少し先に進めば、誰からも見えなくなるかもね」


遠まわしに誘ってみる。


「迷子になりそうだね」


苦笑しながら言う椎名君。


・・・わかってない。


「椎名君は明るいところ行きたいの?」


「当たり前じゃん。暗いところには何もないし・・・」


はぁ、とため息をついて私は椎名君に顔を近づける。


「健全過ぎるよ・・・」


「なにが!?」


「なんでもない」


私は不満そうに頬を膨らませて、椎名君に背中を向けて大通りへと戻っていく。


大通りに出ると、また沢山の人ごみ。


私は、その間を通って、先に進む。


「人・・・ほんと多いなぁ・・・」


私は周りを見渡しながらそう呟く。


と、その時だった。


向かい側の歩道に、見覚えのある2人がいた。


視力がそんなにいいわけじゃない。


だから、顔まで見えるわけじゃない・・・が。


忘れるはずがない。


あの二人の歩き方、仕草、話し方。


全部・・・。


2人は、大通りから脇道へ入っていく。


比較的栄えている脇道へ。


2人が私の視界から消える。


「どうしたの・・・藤崎さん・・・」


その椎名君は声が聞こえない。


私の足は無意識のうちに、向かいの歩道へ渡る歩道の前に来ていた。


そして、青になって駆け足で渡る。


「藤崎さん・・・?」


椎名君も駆け足で追いかけてくる。


私は、向こう側に渡ってすぐに、2人が入っていった脇道へ入っていく。


すると、思っていたより2人の歩くペースは遅く、視界に入るところまで来た。


私はそこで足を止めてただ、2人を見る。


椎名君は、まだ私に追いついてない。


前に見えるのは親友だった女の子と元彼の後ろ姿。


ただ、ただ歩く2人。


どこへ行くんだろう?


そう思った時。


祐二が、晴香の手を引いた。


そして、一つの建物に入っていく。


私は、看板を見上げる。


『HOTEL』


筆記体でピンクで書かれた文字。


ついに二人は、そんなところまで・・・。


悲しみなんてものはなかった。


あったのは、心からの祝福の気持ち。


「おめでとう。2人とも。メリークリスマス」


そう呟いたすぐ後に、


「藤崎さん!」


やっと椎名君が追いついたらしい。


「遅いよ」


「遅いって・・・どこに向かってたの?」


「どこだろうね」


私は、ごまかすように椎名君に抱きついた。


わっ、っと彼は驚いた声を出した後、私の方を掴んで自分から引き剥がす。


そして、じっと私の方を見つめて、


「ミ ピアーチェ」


「え?」


言葉の意味がわからず、小首を傾げた瞬間に・・・。


彼が私の唇をふさいだ。


また・・・一瞬だけ。




キスが終わって、無言で見つめ合う。


彼が、先に視線を外して顔を赤らめながら俯いた時、


「その、意味は何なの?」


私はそう聞いた。


彼は、少し言うか言わないか迷った後


「好き・・・だよ」


照れながらそういった。




小学生みたいな。


祐二ともなかった一瞬だけのキス。


それだけで満足な関係。


今思ったことがある。


性の関係も確かに恋愛には必要なことかもしれない。


あることで、2人の想いを確かめあえるかもしれない。


だけど・・・。


それがなくても、好きだって思える。


愛し合えるんだ・・・。




にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

↑ ↑ ↑

押してくれると嬉しいです!!


どうでしたか?


最終話!!


最後、今まで大人の恋愛をしてきた亜美にはキスだけの恋愛を。


全くそういう経験がなかった晴香には最後に大人の階段を上る・・・。


これを最後にやりたかったんです。


・・・それだけですww


明日は、エピローグを書こうかななんて思っています。


その後に、予定ですが浩平のその後でも書こうかななんてww


浩平のその後・・・興味ある方いますか?ww