もし・・・そうだとして・・・
「だったら、なんなんだよ。もう今更考えてもしょうがないし・・・」
私は転がっていた小石を思いっきり投げた。
石は柵を越えて重力に従って下に落ちていき、私の視界から消えた。
「炭酸飲める?」
聞き覚えのある声がドアの方から聞こえてきた。
「椎名君・・・授業は?」
「サボった」
彼は私に缶ジュースを手渡して隣に座った。
「真面目キャラ脱却ですか?」
冗談交じりに私は言う。
「元々そこまで真面目じゃないよ。ただのイメージだろ?」
「うん。まだ椎名君のことよく知らないし」
「僕も。まだ藤崎さんのことよく知らない。だから・・・知りたい」
「え・・・?」
「・・・なんでもない」
椎名君は苦笑いを浮かべて私から視線を逸らして空を見上げた。
「で・・・授業サボって何してんのさ」
「君を探しに来ました」
「そうなの?」
私は目を無開く。
「うん。心配になって」
「あはは。ありがと」
その後・・・。
私たちは無言になる。
何も言わず・・・ただ無言。
沈黙の時が流れていく。
雲の流れるスピードは遅い。
時間の流れは早い。
時もあれば遅い時もある。
その人の感情次第で時の早さは変わる。
「そういえば・・・」
先に口を開いたのは椎名君。
「明日ってイブだよね」
唐突な話題。
「そうだね」
私はそう相槌を打つ。
「藤崎さんは何か予定あるの?」
「予定・・・?特に何もないよ」
なんとなく・・・彼が言おうとしていることに察しがついた。
「暇なら・・・遊ばない?僕もその日暇でさ」
彼は照れ笑いを浮かべる。
「いいよ。どこで遊ぶ?」
「ん~・・・都会とか?」
「ずいぶん抽象的だね」
「言わなかった?デートってどこでするのかわからないんだよ」
「・・・デートなんだ?」
「え!?いや、ごめん遊ぶだけ」
椎名君は焦りながらそう訂正する。
「いいよ。デートで」
「ありがとう」
椎名君は安堵の表情を浮かべた。
「てか、何?初デートがクリスマスイブ?かっこいいね」
私は彼をからかう。
「だめ?」
「いいんじゃない?そういう人滅多に見ないけど」
「じゃあ、決まり。問題は場所だね」
「男の子が決めてよ」
私は缶のフタを開けて一口だけ飲む。
喉元で炭酸が泡を吹く。
「ん~・・・」
椎名君は膝を立ててそこで頬杖をつきながら考え込む。
そのまま五分が経過する。
「・・・決まりそうない?」
「うん・・・」
椎名君は「ごめん」と言って手を合わせる。
「ダメだなぁ・・・椎名君は」
「そういう藤崎さんならすぐ場所が決まるんだ?」
椎名君は頬を膨らませた後にそんなことを言った。
「う・・・」
私は黙り込む。
確かに私だってデートの経験は何度かある。
けど・・・。
イブにデートしたことは一度もない。
何も言わない私を見て椎名君が、顔を覗き込むようにして
「お互い様・・・だね?」
「うるさい。じゃあ、夜景のきれいなところか、イルミネーションがきれいたところ!!」
「・・・それこそ抽象的だよ?」
言い返される。
「う~ん・・・」
悩んで悩んで・・・。
その結果。
キーンコーンカーンコーン。
「あ・・・」
終業のチャイムが鳴った。
「どうしよっか?」
2人して悩む。
ふと、エレベーターの中の時のことを思い出す。
あの時は頼りになった椎名君。
こういうときは頼りにならない椎名君。
なんか・・・肩の力が抜けて楽。
一緒にいて楽しい人。
そう思った。
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すいません。
今少し忙しくて、コメント見れません。
ということで夜みます!!
ほんといつもありがとうございます♪
さぁ、もう75話!!
もうすぐ終わりに近づいています。
最後、ハッピーエンドで終わるといいなぁww