突如、急激な寒気が私を襲ってきた。
体が震える。
「どうしたの?」
「いや・・・ここって冷房でもついてるの?」
私は冗談混じりにそう言って辺りを見渡した。
「・・・寒いの?」
「すごい寒いよ」
「典型的な風邪だね」
「すいませんね。椎名君には伝染さないようにするよ」
そう言って私は椎名君から距離をとった。
とはいっても、エレベーター内でだから大した距離はない。
「別に伝染してもいいよ」
椎名君は私を見て微笑む。
「へ・・・?」
「それで藤崎さんの熱が下がるなら・・・」
「ふぇ!?」
一気に体温があがったのが自分でも分かった。
いきなり何て事を言うんだこの人は・・・。
キザなセリフにもほどがある。
それを微笑みながら真面目に・・・。
「なんか変なこと言ったかな?」
彼はうろたえる。
「うん。言ったよ・・・」
「とりあえず、これ着ときな」
椎名君は来ていたブレザーを脱いで私に渡した。
「ありがと」
私はそれを素直に受け取って制服の上に羽織った。
温かい。
それはきっとブレザーだけの温かさじゃない。
椎名君自身の温かさが私を包み込んでくれている。
ワイシャツ姿の椎名君は、意外に筋肉がついていた。
細身ではあるが華奢ではない。
私のイメージでは華奢でよわよわしい。
そんな感じ。
私はふらつきながら、椎名君に近づく。
「どした?」
「・・・」
体が言うことを聞かない。
言葉が出ない。
脳と体が分離しているみたいだった。
体が本能のままに動く。
私は彼の目の前に行き、目を少し濡らしながら頬をほんのり赤くして上目遣いに彼を見た。
「・・・な・・・に?」
彼の顔が赤くなる。
そして私は彼の胸にコツンと額を当てて彼に身を預けた。
「少し・・・このままでいたい」
何を言っているんだ自分は・・・。
徐々に・・・。
正しい思考回路を持った脳も支配されていく。
「わかった」
そう言っている椎名君の心臓はどれくらいの高鳴りを上げているだろうか。
恋人がいたことがないという椎名君。
きっと、女性に対する免疫は一切ないだろう。
この状況でどうすればいいか分かっていないはずだ。
「手・・・回して・・・?」
甘い声。
こんな声を出せた自分に驚く。
熱が出ているからかもしれない。
とにかく・・・。
今の自分はおかしい。
「う・・・ん・・・」
椎名君は戸惑いながらも私の背中に手を回した。
私も椎名君の背中に手を回す。
「温かい・・・」
「え・・・?」
「椎名君の体が・・・さ」
「それはよかったです・・・」
椎名君は私の頭を撫でる。
嬉しい。
そう思った。本心から。
この感情はきっと熱のせいではない・・・と思う。
↑ ↑ ↑
押してくれると嬉しいです!!
昨日よりも早い更新です。
早起きは辛いですね~。。
そういえば、スーツの写メ取って最初載せようかなと思ったんですが、
あまりの似合わなさに断念しましたww
次からは私服です。
センスがないのでけっこう戸惑っています・・・。