「ありがとう・・・」
それ以外言葉にならない。
「ああ、うん。とりあえず服着てくれ・・・。目のやり場に困る」
彼はそう言って私から背を向く。
「わかった。ねえ祐二」
「ん~?」
私は服を着ながら祐二の背中に話しかける。
「なんで・・・来てくれたの?」
「風邪引いてるから」
「そんな程度で?」
「ああ。愛美・・・って知ってる?」
「うん」
「あいつに行けって言われた。僕、あいつといとこなんだよ」
「知ってるよ」
「知ってんの!?」
「愛美とは仲いいからね」
「ああ・・・そうなんだ」
「でも、愛美もお節介だね」
「たしかにな。風邪ぐらいで見舞いに行けなんて言うんだから」
「まあおかげで危なかったところを祐二が助けてくれたんだけど。あ、こっちもう向いて大丈夫だよ」
「了解。浩平があんな奴だとは思わなかった」
祐二はこっちを向いて、椅子に座った。
「そう・・・だね」
「大丈夫だったか?」
「う・・・ん。一応は・・・」
私は自分の唇に手を触れた。
嫌な感触がよみがえってくる。
「ごめんな。もっと早く来れなくて。久しぶりに会うってこともあってなかなか晴香の家に行く勇気が出なかった・・・」
祐二は下を向く。
「いや!謝ることじゃないよ。私、本当に感謝してるんだから・・・」
「ならよかった。それより、風邪は大丈夫か?悪化してない?」
忘れていた。
自分が風邪をひいていることを。
でも、自分で服も着られるんだし・・・。
「大丈夫じゃないかな?多分・・・」
「もう一度測っとけ」
祐二は私に体温計を渡す。
「ん・・・わかった」
私はそれを受け取り薪に入れた。
本日三度目だ。
「祐二の家って耳温計ある?」
「・・・なにそれ?」
「耳で体温を測るやつ」
「そんなのあるんだ?現代も進歩したな」
感心する祐二。
「いやいや・・・。けっこう前からあるけど」
ピピピピ。
「まじか・・・」
「どうした?」
「体温・・・上がった・・・」
「・・・何度?」
「38.6」
「晴香・・・横になれ。そして寝てろ・・・」
「そんな急に言われても・・・お腹もすいたし・・・」
「・・・あんなことあったのに腹減るのかよ・・・」
祐二はあきれ顔を浮かべる。
「だって・・・朝から何も食べてないし緊張感が解けたから・・・」
「あっそ・・・」
「祐二なら・・・一番信用できるしね」
私の微笑みで祐二の顔が赤くなった。
「そりゃあ、どうも。冷蔵庫なんかある?」
「ん~・・・あるんじゃない?多分・・・」
「多分かよ。まあ、いいや。じゃあ、適当に何か作ってやるから・・・」
「料理作れるの!?」
「・・・なめんなよ?」
「だって中学の時・・・」
「人は成長するんだよ。ちょっと待ってな」
祐二は自信あり気に一階に降りていった。
***************
20分ほどが経って祐二がお椀を持って戻ってきた。
「お待たせ」
「ありがとう。何作ったの?」
「卵粥。熱いから冷ましてから食べな」
祐二は私にお椀を差しだす。
けど、私はそれを受け取らない。
「・・・?」
祐二は怪訝な顔を浮かべる。
「食べさせてよ」
私は子ネコみたいな目で彼を見る。
上目遣いで。
男の子はこれに弱いのを知っている。
「う・・・分かったよ・・・」
祐二はレンゲでお粥をすくい、私の口の方に持ってくる。
「祐二。私猫舌だから」
「・・・~っ」
祐二は顔を赤くしながら、2、3度息を吹きかける。
「あ~ん」
私は満面の笑みを浮かべてお粥を口にした。
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こんな女の子いたら世の男性はみんな落ちちゃうかもですね。
最近起きるのが遅いです。
生活習慣を元に戻さないとなぁ