54話 傾く気持ち | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

男の子の手が女の子の胸の位置に持っていかれる。


キスをしながら。


『中学生だろ~・・・』


見ていて恥ずかしくなってくる光景。


けれど、なぜが凝視してしまう。


女の子の浴衣が捲れていく。


肌が見える。


男の子の手が浴衣の中に入る。


『ん・・・』


女の子の高い声が聞こえた。


・・・私に気づかないのだろうか。


ふとそんなことを思う。


あっちは隠れているつもりだろうが、私から丸見えだ。


ちょうど、ここからは死角にはなっていないらしい。


逆にあっちからは私のことが見えないはずがない。


私は隠れているわけでもないし。


この時間じゃなければ、ホテルに入っていく人たちが通るところの縁石。


目立つ所に座っているのだから。


でも・・・。


営みの最中は周りなんて見えないもんなのかな・・・。


私自身がそういうことを一度もしたことがないので何とも言えないが。


まだ、中学3年生の春。


別に恥じることはないだろうし焦ることもない。


まあ、焦ったところで相手がいないからどうしようもない。


亜美と祐二はもうやったのかな・・・。


もしかしたら、今・・・か?


2人のやっている姿を想像して、私の顔が赤くなる。


その時、カップルが動き出した。


男の子が、彼女から離れてさらに奥へと進んでいく。


女の子は「どうしたの?」と言ってついていく。


どうやら、気付いたらしい。


私の存在に。


ただ、奥に入っていってまだ続ける気なのだろうか?


そんなにも男って性欲にまみれたものなのか。


普通、いくら途中だったからといって誰かに見られたらやめるもんじゃないのか?


『何か考えごと?』


後ろから・・・誰かの声がした。


『え・・・』


私は振り返る。


『浩平・・・』


『よっ!何してんの。こんなところで』


『物思いにふけってた』


嬉しい気分になった。


一人寂しく他人のセックスを観賞している私。


そんな私に話しかけてくれる人がいたんだから。


***************


「あの時以来かぁ・・・」


「うん。そういえば、あの時何してたの?」


「え・・・何もしてないよ」


人のセックスを覗いていたなんて言えるはずもない。


「何もしてないって・・・」


「別に何だっていいじゃん。浩平こそ夜中に外出て何してたの?」


「俺?星を見に」


「そんな趣味あったんだ?」


「意外?」


「うん。意外。だって見てるのは女の子だけでしょ?」


「だから、なんでそういうイメージがあるんだよ」


浩平は不満そうに私を見る。


「だって事実だから」


「事実じゃないから」


浩平は否定する。


「それに・・・」


「ん?」


「俺は、一人の女の子しか見てないって前に言わなかった?」


いつになく真剣な眼差し。


冗談とは思えないような・・・。


私の顔の温度が上がる。


「私は・・・」


キーンコーンカーンコーン。


昼休みが終わった。


「私は・・・何?」


「なんでもない!」


私はそういって、席から立ち上がり教室から出る。


壁に寄りかかり、口元を手の甲で覆った。


「どうしたんだろ・・・私」


異様なまでに上がる顔の温度。


祐二だけを想っている。


それが徐々にできなくなっていく・・・。






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今日は出かけるので早めの公開です。


あ~・・・眠いww


中学生のカップルって今はどれくらい進んでるんですかね?w