36話 One decision | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

「おはよっ」


晴香は私の肩を叩いた。


「ずいぶんご機嫌だね。何かあった?」


「ないけど、テンションが低いよりはいいかなって」


晴香はもっともらしいことを言う。


「たしかにね。ただ、私はそんなテンションで朝を迎えるのは無理だなぁ」


「なんで?」


「疲れちゃうから」


「あはは。まだ中学生なんだから」


「まあね~・・・」


私は、空を見上げた。


相変わらずの雲ひとつない晴天。


「雨が降ってるよりはいいと思わない?」


私と同じように晴香も空を見上げる。


そして、なにか考え深めそういった。


「うん。そうだね~・・・」


わたしはそう返答しながら、頭には榊原君の顔が浮かんできた。


『雨・・・好きなんだよね』


そういった彼の顔が。


濡れるし、寒いし。


あまりいいことがない雨。


そんな雨が好きな彼。


なんで、好きなんだろう・・・。


「そういえばさ」


「ん?」


「祐二は雨が好きらしいよ」


「ふぇ!?」


私は素っとん狂な声を上げる。


「どうしたの?」


晴香は不思議そうな顔をして私を覗き込む。


「なんでもない」


ただ驚いただけ。


私が考えていたことを晴香が口に出したから。


「それより、雨が好きって珍しいね」


「そうだよね。祐二って変わってるから」


榊原君のことを何でも知っているような言い方。


幼馴染であり、大好きな人だから当たり前なんだけど。


でも、それに少しむっとした。


そんな自分に驚く。


もしかして・・・私、晴香に嫉妬してるの・・・?


それほどまでに、榊原君を好きになっているの?


「アブノーマルなんだね」


でも、そのことを悟られないように。


必死になる。


わたしは、晴香に嘘をついた。


榊原君のことに対して。


あの時・・・。


今はその嘘を隠し続けている。


いつか、ばれてしまう嘘。


そう。


嘘って言うのはいつかばれる。


それが嘘なんだ。


ばれなかった嘘は嘘じゃない。


真実になる。


「横文字にする必要がある?」


「なんとなくだよ」


私たちは、仲良く笑い話をしながら登校する。


傍からはそう見えているだろう。


けれど、私は笑顔で親友と話しながら一つの決意を固めた。


この嘘はばれないようにする。


この嘘を真実にするって。





けれど、この決意は簡単に崩されることになる。


晴香の些細な言葉で。


行動で。


最悪な13日の金曜日が始まることになるんだ。






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こうやってかないと、10話ぐらいで話終わっちゃうんでww