31話 声 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

家に着いた私は制服のままソファに座って体温計を手に取った。


脇に入れて、私は目を閉じる。


保健室で見た夢は何だったのだろうか?


夢に理屈を求めてもしょうがないのだけれど、どうしても考えてしまう。


すごく嫌な夢。


まるで・・・祐二と亜美の本音を聞いたような・・・。


優しい亜美。


いつも、私にはいいように接してくれる。


けど、それは本当に?


本心からの言動なんだろうか?


そんなことを考えてしまう。


ただ、私を裏切ったことによる罪悪感から出てるものなんじゃないかなって。


ピピピピ・・・。


間抜けな電子音が鳴った。


私は、体温計を脇から取って表示を見る。


「38.7・・・」


どうやら、熱があるらしい。


「風邪かなぁ・・・」


私は体温計をテーブルの上に置いて、自分の部屋に戻る。


階段を歩く足取りが異様に重い。


熱があるって思えば思うほど、どんどん体の具合が悪くなっていく。


そういうものだ。


熱があるなんて知らなかった朝は、たまにふらっとすることはあったけど、


歩けないなんてことはなかった。


階段だって何の不便もなく上れたし。


だけど、熱があると知った今は段違いに体の動きが鈍くなる。


私は、ゆっくりと階段を一段づつ上っていく。


ロボットみたいな動きで。


部屋に着いたころには、私の疲労はピークに達していた。


「あ~・・・もうだめだ・・・」


私は力なくベッドに沈んだ。


一度こうなると、完全に体は動かなくなる。


制服・・・着替えないと・・・。


そうは思ったが、体の上からとてつもないほどの重圧がかかって起き上がらない。


そして、私はこのまま眠りについた。


***************


「また・・・ここか」


目覚めた私がいた場所は、あの公園。


夢の続き・・・かな。


私は内心肩をくすめて苦笑する。


夢って、普通その世界の中にいるときは気付かないもの。


現実の世界だって思うものなんだ。


どれだけ非現実的なものでも。


それが道理。


けれど、今の私はそれを覆す。


これは夢だと。


確信を持って言えるんだ。


私が立っている場所は、また同じところ。


公園の前の道路付近。


公園内には誰もいない。


てことは、また雨でも降るんだろうか?


私は空を見上げた。


けれど、降ってくる気配はない。


・・・。


私はその場に立ち尽くす。


何も起きない。


こんな夢ってあるだろうか?


少なくとも私は見たことはない。


何も起きない夢。


すごく不思議な感じがする。


私は、とりあえず公園の中に入ってみる。


改めてみて思ったこと。


すごくちっぽけな公園。


ブランコがあって、滑り台があって、シーソーがあって。


それだけ。


あとは点々とベンチがあるだけ。


私は、当てつけのように亜美と祐二が座っていたベンチに座った。


亜美と祐二は2人で座っていた。


けど・・・。


私は隣を見る。


「私の隣には誰もいない・・・か」


その呟いた言葉は、風の中に消えていく。


『晴香・・・』


誰かが私を呼ぶ声が聞こえた。


え・・・?


私は辺りを見渡すが誰もいない。


『晴香・・・』


その声はもう一度聞こえる。


けど、その姿を私の眼は捕えることができない。


聞いたことのない声。


いや、どこかで聞いたことはあるんだ。


だけど、誰かは全く分からない声。


「だれ?」


私は目に見えない声にそう聞く。


「俺・・・だよ」


急に目の前に現れた人。


「え・・・」


*****************


頭が痛い・・・。


頭痛とともに私は現実の世界に引き戻された。


はっきりと覚えている夢。


あの公園に行って、ベンチに座って・・・。


それで、声を聞いて。


・・・あれ?


あの声の主って・・・。


だけど、不思議なことに最後に現れた人の顔だけは思い出すことはできなかった。





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声の主は誰なんでしょうか・・・。


あ、明日からは祐二編です。


祐二の今まで心情がわかります!


あと、写メですがもう少し待ってください。


一回とったんですが、色が分かりづらかったので、


どこで撮ろうか考え中ですww