その後、学校までの間、私と祐二の会話は一切ないままだった。
距離も一定の間を開けて。
教室に入って真っ先に目に入ったのは亜美だ。
笑顔で手を振っている。
新手の嫌がらせだろうか?
なんて思ったりする。
亜美にとったら、いつも通り私に接することで私に対する罪悪感を消そうとでもしているのかもしれない。
けど、それは私があの光景を見ていなかったことを前提にしている。
見ている私にとったら・・・。
ただの嫌みしか聞こえない。
祐二も亜美も。私の神経を逆なでしている。
2人とも、私の大切な人だけど。
それでも、嫌な人にしか見えない。
「おはよう」
ぶっきらぼうに私はそう言って、自分の席に着いた。
亜美は、不思議そうな表情で私の席にやってくる。
「具合でも悪いの?」
そう言って。
「そんなことないけど」
私は、教科書を机にしまいながらそう返答する。
亜美を見ないまま。
「・・・なんかあったの?」
不安そうな亜美の声。
その不安は、もしかしたら悟られてるんじゃないかって不安?
それとも、私の体調を気遣っての不安?
どっちなんだろうか?
「なんにもないけど?」
私は、低めの口調でそう言った。
「・・・そっ・・・か。なんかあったなら力になるからいつでも言ってね?」
「・・・本当に力になってくれるの?」
亜美を試すようにじっと見つめながら私は聞いた。
「うん。大切な親友だから」
「わかった。ありがとう。じゃあ、放課後、この教室に残ってもらえるかな?」
「・・・?わかった」
亜美は不思議そうにうなずいて、自分の席に戻っていった。
何でも力になるか・・・。
言い方を悪くすれば偽善者だよ。
だって、『なんでも』なんて絶対無理だから。
私が、もし祐二の話を切り出したら、亜美はどうするのだろうか?
上手くごまかす?
付き合ってないと言う?
でも、それは祐二と口裏を合わせることが難しいからきっと失敗する。
そして、形的に私に知られてしまうことになるんだよ。
私はそこで、ショックを受けるふりでもしようか。
『親友だと思っていたのに・・・』なんていいながら。
・・・。
ずいぶん腹黒い私。
嫌な女だ。
けど、そう言うものじゃない?
大好きな人が取られたら妬みたくなるじゃん。
それが親友であっても。
先生が来て、挨拶をするために立ちあがる。
立ちあがった途端だった。
私の脳内が揺れた。
視界がぼやけた。
足がふらつく。
「礼!」
学級委員の声で私の体は元に戻る。
・・・なんだったのだろうか?
具合でも悪いのかな。
そんなことを考えながら、片隅には放課後に亜美にどんな言葉をぶつけるかを考えていた。
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晴香もけっこうダークな人って感じです。
放課後・・・2人はどんな話をするんでしょうか・・・?
こういうシーンて書くのが難しいんですよね