27話 不快 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

雨が止んで晴天となった朝。


私はいつも通りお母さんによって起こされた。


眠気はあまりなかった。


だけど、私の体は異様に重い。


それがなんでだか。


自分で一番よく分かっていた。


昨日のこと。


昨日見てしまったもの。


それによって、学校に行くことへの拒否反応があるんだ。


私は今日、あの二人にどんな顔をして会えばいいんだろうか?


いつもと同じように?


そんなのができると思えない。


私はそんな器用じゃない。


「早く学校に行きなさい」


朝食を食べた後、ソファでゴロンとしている私にお母さんが言う。


「わかった・・・」


私は、制服に着替えてバッグを持った。


「行ってきます」


いつもより数段低い気分のまま、私は家を出る。


出てすぐ、目に入るのはもちろん祐二の家。


その家を見ながらこんなことを考える。


学校でこの人と会った時、私はどんな表情をしているのだろうか・・・って。


今まで芽生えたことのない感情が私の中で芽生えた。


『祐二と会いたくない』


いつもとは真逆の感情が・・・。


その時だった。


突然、彼の家の扉が開いた。


そして、現れたのは祐二・・・。


私はこの時運命というものを呪った。


神様というものを恨んだ。


祐二は、私の顔を見て驚きの表情を浮かべている。


もちろんそれは私もだ。


彼は、その後笑顔を浮かべて「おはよう」と言った。


いつもなら、嬉しかった言葉。


けど、今はすごく煩わしい言葉。


そして、その笑顔。


それが作っているものだと思ったら尚更イライラする。


祐二の笑顔は私を幸せにしてくれた。


良い気分にしてくれた。


でも・・・。


今は悪い気分にしかしてくれない。


そう。


君の言葉。


仕草。


見ていると幸せだったものすべてが。


今の私には不快に思えてしまうんだ・・・。


「おはよう・・・」


私は一瞬だけ笑顔を浮かべた後、先を歩き出す。


彼が私の方に来る前に。


「え・・・」


彼から意外そうな声が聞こえた。


いつもなら、私は祐二を待つから。


見つけたら一緒に登校するから。


もし、今それをしたら祐二。


君は困っただろう。


でも、そうしてくるって思っていたから、どうするかの対処を考えてたはず。


あはは。


そんな心配をしているのなら。


大丈夫だよ。


私は君から離れていくから・・・。


私は、歩く速度を速めた。


彼に絶対に追いつかれないように。


そんな必要ないって分かっていても。


だって祐二は私のそばに来ないと分かっていたから。


「晴香!」


けど、彼はいつの間にか真後ろにいて。


彼は私の肩を引っ張った。


私はその場に止まる。


「何・・・?」


「どうした?」


「何が?」


私は迷惑そうに聞く。


「なんか・・・いつもと違う」


「変わんないよ・・・」


私はまた歩き出す。


でも、あまり早く歩けない。


体が・・・重い。


「変わってるって」


「・・・なにが違うの?」


「僕への態度」


・・・そっか。


君のその言葉を聞いて・・・。


私はこの時すべてを察した。


祐二には彼女ができようが大した問題じゃないんだ。


だって私は・・・。


祐二にとって、ただの幼馴染に過ぎないのだから・・・。


だから、こんなことを聞いてくる。


「態度・・・か。私の君に対する態度ってどんなのだった?」


「え・・・そんなこと言われても・・・」


彼は困った表情を浮かべる。


「答えられない?じゃあ、いつもと変わらないよ」


「少なくとも。こんな冷たくはなかったよ」


「冷たく・・・?」


「今の晴香は僕に対して冷たい」


どんどんイライラしてくる。


君の言葉が不協和音となって私の耳に入ってくるんだ。


「ごめん。少し黙って」


私は少し強めの口調でそう言った。





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