彼からの告白を聞いて、私の体は言うことを聞かなくなる。
晴香の好きな人。
もう、そんなことは頭の中にない。
今あるのは、目の前にいる榊原祐二に触れていたい。
ただ、それだけ。
「返事は・・・?」
黙っている私に、恐る恐る彼は聞いてくる。
私はその唇を何も言わずに塞いだ。
私は、彼の口を塞いだまま彼の顔を見る。
目を見開いている。
どうやら、けっこう驚いたらしい。
私は、彼の口の中に舌を入れる。
中学生ではめったにしないキス。
これに彼は抵抗を感じたのか、唇を離した。
「今・・・何しようとした・・・の?」
「ディープキス」
平然と私は答える。
「そういうの慣れてるんだ?」
拗ねたように彼がいう。
その表情がまた可愛らしい。
こんな一面もある榊原祐二。
すべてが完璧だ。
「慣れてるわけじゃないけどね」
大雨なんて全く気にしないで私たちはもう一度キスをした。
彼への告白の返事。
それはさっきのキスで十分伝わったみたいだった。
そして、私たちは合計5回のキスをした。
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「そういえばさ」
「ん?」
「榊原君はななんでこんなとこ来たの?」
「散歩」
「こんな雨の中?」
「雨好きなんだよね」
彼は空を見上げながら言った。
「へぇ・・・」
変わってる。
そんなことを思いながら私は返答する。
雨は一向にやむ気配はない。
「藤崎・・・」
「何?」
彼は、傘を拾いながら
「今度から、亜美って呼んでいいかな?」
・・・あ。
ここで思い出す。
晴香の存在を。
数分間忘れていた大切な存在を。
「2人きりで会うときはね」
「なんで?」
「なんでも。あと、学校ではお互いに恋人同士だってばれないようにしよ?」
「なんでだよ」
「榊原君はもてるから、他の女子にいじめに遭いそうだから」
冗談交じりにそう言う。
とっさに浮かんだ適当な言い訳。
本当の理由なんて言えやしない。
晴香にばれないように・・・なんて。
「ん~・・・わかったよ」
彼は渋々了承した。
「ありがとう」
私が満面の笑みでそう言うと、彼は恥ずかしがりながら私から視線を外した。
純粋・・・・だなぁ。
こんな男の子と私みたいな穢れた女の子が付き合う・・・か。
処女を簡単に捨てた私とおそらくキスすら満足にしていない彼。
異質のカップルだ。
「じゃあ、帰ろうか」
彼はもう一度空を見上げていった。
「そうだね」
雨は止んできていた。
大降りだった雨は今は小雨になっていて。
私たちは、ベンチから立ち上がり、お互い違う出口から道路へと出ていった。
彼は送っていくとか言っていたのだが、さすがにそれは断った。
ぼろい家を見られたくなかったから。
「ばいばい」
彼は手を振って私から背を向けた。
私はその背中を見送った後に、歩き出す。
「・・・ん?」
道路に出て目の前のところに、開いたままのビニール傘が落ちていた。
なんで・・・?
私は少し疑問に思ったが、深くは考えず、その横を通り過ぎていった。
この時の私は・・・。
最悪な人間だ。
大切な親友の好きな人を自分のものにしたんだから。
今、すごく後悔している。
けど、後悔したところで今は何も変わらない。
だけど、それでも後悔しているんだ。
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押してくれると嬉しいです!!
2人は結局付き合うことになったわけですが・・・。
関係は複雑ですね~。。
あ、ちなみに明日は晴香編です。
もうすぐ、祐二編も参入するかもです。
あと、やっぱり亜美はあくまでサブキャラです。
最終的には晴香が主人公です!