「榊原君・・・」
そこにいたのは晴香の好きな人・・・。
「傘も持たないでこんなとこにいたら風邪ひくよ?」
「あはは。急に雨が降ってきたからしょうがない」
私は、濡れた髪を指で弄びながらそう言った。
「そっか」
彼は私の隣に座って、じっとこっちを見る。
「何?」
「こんなとこで何してたのかなって」
「・・・」
私は俯いて何も答えない。
迷っているんだ。
優しい彼にどこまでを話していいのか。
「あ、言いづらいなら言わなくていいよ」
彼は慌ててそう付け加える。
私は彼の方を見る。
あ・・・。
榊原君の左肩。
私から遠くにある方の肩だ。
そっちの肩が、傘を差しているにもかかわらず濡れている。
傘を見てみると、その理由はすぐに分かった。
大きく私の方に傾いているんだ。
これが彼なり女の子に対する気遣い・・・か。
ドクン・・・。
私の心臓が波打った。
自分の感情が最悪な方向に進んでいる。
少しづつ彼に惹かれ始めているんだ。
いつも晴香がこの人のことを話すとき、いつも優しさの部分に触れる。
そこが好きなんだって。
そう言うんだ。
優しさなんて、たくさんの人が持っているもの。
だから、私には晴香が榊原君のことを好きになる理由がいまいちわからなかった。
優しさだけで人を好きになるなんて。
少なくとも私は、過去。
浩平を優しさだけで好きになったわけじゃないし。
けど。
こうやって、榊原君の優しさにじかに触れてみてやっと、晴香が惚れる理由がわかった。
彼の優しさはあからさまじゃなくて、相手に気づかれなくてもいい。
そんな気持ちでの優しさなんだ。
作った優しさじゃなくて、自然な優しさ・・・。
そんな彼が・・・今私のそばにいてくれて。
相談相手になってくれる。
話を聞いてくれる。
誰にも話すことができなかったこの苦しみを少しでも消し去るために・・・。
私は彼に甘えたくなる。
いけないことだって分かっていても・・・だ。
「そんな不安そうな顔しないで。何でも聞くからさ。言いにくいことじゃなかったらさ・・・」
ドクンドクン・・・。
そんな優しい言葉をかけられたら・・・。
私の心は抑制がきかなくなる。
「ありがとう・・・。じゃあ、話す前にひとつお願い聞いてもらっていい?」
「いいよ」
彼の微笑んだその顔には、包容力があり思いやりがあり。
優しさがあり・・・。
私は彼の右の肩に頭を乗せた。
「少しの間・・・。こうしていたい」
私は・・・大切な親友の好きな人に恋をしてしまったかもしれない・・・。
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正解は榊原君。ということです。
まあ、他にいませんよね。
榊原祐二はめちゃくちゃ優しいですね~ww
そんな彼に動き出してしまう亜美の気持ち。
亜美は恋の悩みでさらに苦しみそうです・・・。