1話 恋愛対象 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

教室に着くと、一番最初に目に映ったのは、やはり祐二の顔だった。


榊原君、いるね。などと亜美が耳元で囁いてくるが、私は聞こえないふりをして、教室の中に入り、自分の出席番号の席に座った。


丁度真ん中。


佐藤晴香。


さ行から始まるにはお似合いの席だった。


黒板が見えないほど遠い席ってわけでもないし、寝てもばれないほど近いわけではない。


私にとっては一番嬉しい席だった。


こういうとき、この変哲もない名前に感謝する。


日本一ありきたりな名前に。


クラスに一人はいるであろう名前。


全校集会とかで佐藤なんて読んだら、何人が反応するだろうか?


私はその光景を想像すると、少し笑ってしまった。


その時、一人の男の子が私の方に向かって歩いてくるのが見えた。


視点を下半身から、上半身、そして顔に向けた。


「祐二・・・」


「おはよう。晴香」


彼は眠気が襲う朝とは思えないほづの笑顔で私に話しかけてきた。


「おはよう」


「また、同じクラスだな」


「そうだね。今まで全部一緒。小学校のころから」


「天文学的確率だな」


「そんな大それたことじゃないでしょ」


私は彼の冗談を苦笑いで返した。


「とりあえず、今年一年またよろしくな」


祐二はそういって、他の男子グループの方へと戻っていった。


何しに来たんだか・・・。


祐二の背中を見て・・・思うことがある。


彼はいつまでたっても・・・。


永遠に私を幼馴染としてしか見ないんだろうなぁ・・・って。


でも、そんなものだろう。


幼馴染ってのは、兄妹同然の関係。


恋愛対象には入らないものなのだから。


恋愛対象に見てしまった私は、おかしい人。


かな・・・?


「晴香~」


今度は、高めの声の持ち主が私を呼んだ。


顔を見なくてもこの声は分かる。


けっこう特徴的な声だから。


「どうしたの亜美?」


「何話してたの?榊原君と」


「他愛もない話だよ?」


「相変わらず仲いいよね~」


亜美はにやにやしながら言う。


「付き合ってる・・・って思ってるでしょ?」


「そうは思ってないよ。ただ・・・」


「ただ?」


私は聞き返す。


「私は晴香のことは何でもわかるんだからね?」


亜美は可愛らしい笑顔を向け、人差し指で私の額を軽くコツンと突いた。


その可愛らしい表情、言葉がすごく意味深に思えた・・・。





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とりあえず、今日は一話目の更新です!!


先の展開をどうしようか考え中です。