指輪は私の視界には入らない。
だから、躊躇することはない。
臆することはない。
もしかしたら、俊哉がこの光景を見てるかもしれない。
天国ってところから。
それでも・・・。
私は今から西山君とセックスをする。
私がベッドに座るとその隣に西山君が座った。
2人の距離は0。
肩が触れ合う距離感だった。
そして、彼は私のワイシャツのボタンを外していく。
本日これが2回目だ。
私が脱がされていくのは。
ただ、援助交際のセックスとは比べものにならない。
彼の私に触れるときは、とても優しくて。
どこか、躊躇しているようにも見えた。
なんで、躊躇しているのかは想像がついた。
私と同じ気持ちなんだろう。
俊哉に対する罪悪感。
私たちは、どんなカップルもしないような気持ちでセックスをする。
特別な感情を2人で持ち合わせて。
後ろめたさ。
罪悪感。
色々な感情が入り混じりながら・・・私たちは一つになった。
一つになった喜びはあまり感じられなかった。
そして、セックスをしている間、私の頭の隅にずっと俊哉の顔が浮かんでいた。
そう。
私は目的を達成できなかった。
西山君だけを想うことを。
この時、改めて思い知ったことがある。
私の中で俊哉の存在がどれほど大きいのかを。
好きになっている、西山君とセックスをしただけじゃだめだった。
君は私の中からは消えない。
「ねぇ・・・知ってる?」
2人、ベッドに横になってもうすぐ寝ようとした時、彼が話しかけてきた。
「何?」
「俊哉を忘れることなんて無理だよ」
「・・・なんで?」
「大切な人のありがたみって、近くにいるときは気付かないけど、いなくなってからそれがとてつもなく大きく感じる」
「・・・」
「だから、俺が俊哉を超えられることはない」
「分かんないじゃん」
根拠のない否定をしてみる。
「現に、こうしてセックスをしたけど、平川の頭の中には俊哉がいるだろ?」
「・・・何でもお見通しなんだね」
「平川のことなら何でもわかるよ」
その言葉が少し嬉しかった。
「そっか。でも、私にもわかることがあるよ」
「何・・・?」
「セックスするとき、西山君も後ろめたさを感じてたよね?」
「・・・正解」
彼は苦笑しながら頷いた。
「2人とも・・・俊哉の影に苦しんでいるんだよね・・・」
彼はそれに対して何も答えなかった。
無言になる。
数分経つと、彼の寝息が聞こえ出した。
私は、起き上がり、近くに放り投げてあったブレザーを拾い上げる。
ポケットの中に入っていた指輪を手に取る。
そして、私はその指輪を強く握りしめた・・・。
強く・・・強く・・・。
↑ ↑ ↑
押してくれると嬉しいです!!
2人は罪悪感の中でのセックス。
あんまりいいものじゃないですよね・・・。
里奈は強く指輪を握り締めて何を思ったんでしょうか・・・?