「どうした・・・?」
電車のドアが開いた。
彼の表情には焦りが見える。
それとは対照的な私の冷静な表情。
今、私はまた我儘を言おうとしている。
君を困らせるように。
「ねぇ・・・」
「何?」
彼は、電車の方をチラッと見た。
もうすぐ、ドアが閉まる。
多分、もう間に合わない。
「帰りたくない・・・」
私がそういうと、彼は電車をあきらめてこっちを見た。
「まだ・・・何があったか・・・いえない?」
「じゃあ・・・私がさっき傷ついたこと。西山君にもやってあげるよ」
この時、私の心に変化があった。
甘えちゃダメ・・・。
強くなんないと。
なんて馬鹿みたいなことを。
だって・・・私は振った人に助けを求めている。
これは最悪なこと。
だから、これ以上はしてはいけないという想いがあったんだ。
私は小悪魔的な視線を彼に投げかける。
その後、踵を返して歩き出す。
渋谷の街中に向かって。
「何を・・・だよ?」
彼は後ろから付いてきながらそう言う。
「西山君にやるなら・・・きっと傷つかないから」
投げやり。
私は、何か吹っ切れたような感じになっていた。
「だから、何を?」
彼は、もう一度聞いてくる。
私は立ち止まって、彼の方に顔だけを向ける。
「セックス・・・」
何事もないかのようにその言葉を発した。
強がり。
さっまで、それをしてすごい苦しんでたくせに。
無理して、無表情で。
泣きつきたいはずなのに。
さっき、飛びついてそれで満足した?
私の、感情の忌々しいほどの変化にイラついた。
数分前は彼に甘えていたのに。
今は、それをしない。
私が前を向いて歩き出した時、彼が後ろから私を抱きしめた。
「・・・!?」
私は驚いて立ち止まる。
「バカ・・・強がんなよ・・・」
彼が耳元で寂しそうな声で囁いた。
「うぅ・・・」
また涙が流れてくる。
「俺に甘えて・・・いいからさ」
彼の言葉を聞いた途端に、体の力が抜ける。
こんなことを言ってくれる人が、まだ私のそばにいたことが・・・。
すごく嬉しすぎて・・・。
「なんで・・・そんなに優しいの?」
「里奈が、やっぱ好きなんだよ・・・」
私も・・・。
そう即答しようとした時だった。
私の左手についている、俊哉からの指輪が光った・・・。
私は言葉を飲み込む。
俊哉の影は・・・私のそばから消えないんだ。
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俊哉も好きで・・・修二も好きで・・・。
里奈の心は大変です・・・。
これからどうなるんでしょうか・・・?