30話 大切な人 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

「ここで・・・なにやってるの・・・?」


考えより先に言葉が出ていた。


「そのセリフをそのまま返すよ・・・」


「先に答えて」


私は少し強めの口調で聞いた。


私から答えるなんて到底できなかったから。


「俺は、俊哉の幼馴染。今日は、ここで線香でもあげてこうかなって思って」


幼馴染・・・。


俊哉の幼馴染なんだ・・・。


私は、さっきも思ったことをもう一度繰り返す。


私は彼のこと何も知らない・・・。


まだ・・・何も。


そして、今知った。


彼の知人関係。


けど、これは知りたくなかったこと。


こんな偶然があるもんなのかな。


私は内心肩をすくめて苦笑した。


「幼馴染なんだ。仲良かったの?」


「比較的ね。そんなにしょっちゅう会ってたわけじゃないけど」


「そっか」


「で、平川は?」


私は言葉に詰まった。


何て言えばいいだろう?


何て言えば、私と西山君の関係は崩れないだろうか?


・・・。


こんなときでも、自分のことばかりを最優先に考えている自分に腹が立つ。


それでも、どうしても、西山君との関係を崩したくなかった。


けど、ここで崩さないための選択肢をしたなら・・・。


私は俊哉の家で最悪のことを言うしかなくなる。


ガタン。


俊哉のお父さんが立ちあがった。


「じゃあ、私はとりあえず、2人の話が終わるまで台所の方に行ってるとするよ。終わったら呼んでくれ」


そう言って、居間から出ていく。


優しい気遣いに私は感謝しながらその背中を見送った。


扉が閉まる音がして、私は西山君の方に目を向けた。


「私は・・・俊哉の彼女だよ」


私は俊哉を取った。


既に死んでいる俊哉を。


心の葛藤はあった。


西山君の方を取りたかった。


けど、ポケットの中にある物。


その、計り知れない重さ。


そして、浮かんでくる俊哉との少しだけの思い出。


すべてが私に彼の彼女であるという言葉を出す決断を与えた。


「彼女・・・なんだ」


「うん」


「それは、二年前のこと?」


「そうだね・・・そして、今もだよ」


私の言葉を聞いて彼の顔が少し歪んだように見えた。


「今も・・・・って。俊哉は死んでるんだぜ?」


「そうだね。それでも私は彼のことが好きだ。忘れられない」


「それが・・・告白の答え?」


「そう・・・受け取るのなら」


「なんで、今まで保留にしてきたの?」


「君とは友達のままでいたかったから。私の心の休める場所だったから」


「ありがと。でも、もうそれは無理かも」


「わかってる。答えを出した時、もうすでに友達ではなくなってる」


「いや・・・俺が平川を好きになった時に、もう友達としての歯車は狂ってたよ」


確かにそうかもしれない。


好きになって、そういう気持ちで意識し始めた時から、異性の友情崩れ始めて・・・。


落城するんだ。


「もう・・・戻れないよね?」


私の眼から涙がこぼれる。


最近よく泣いている気がする。


けど、もうこれはしょうがないこと。


泣かないと、自分の気持ちが崩壊してしまいそうになるんだ。


「戻れないよ・・・。絶対」


彼の悲しそうな顔。


その顔が徐々に、涙でぼやけて見えなくなっていった。






私はこの日、もう一つ大切なものを失った。


大切で大切で、必要不可欠になりかけていたものを。


けど、それは、自分の意志によるもの。


自分が決めたこと。


だから・・・後悔は・・・。


いや、後悔している。


したところで、何も変わらないのだけれど・・・。







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30話です!!


意外に続くもんですね。この話。


序盤で、俊哉ほとんどでなくなったのにwww


頑張って50くらいまで続けばなと思っています!!