13話 不公平 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

植物状態について、前に本で読んだことがある。


どうして、植物状態になるのか。


それは、脳幹以外の大脳がすべて死滅または機能を失っている場合と、若干その機能が残っている場合。


彼の場合は、どうやら、脳幹以外の大脳はすべて死滅してしまっているらしい。


まあ、そんな情報を知ったところで彼に何かしてあげられる訳じゃないけど。


そして、最近もう一度本を見て知ったこと。


というより忘れていたこと。


それは、数ヶ月たたないと、植物状態に判断されることはない。


私は、お父さんたちと一緒に医師の話を聞いた。


その時、確かに医師は植物状態という単語を出したが、今思い出せばその後に


その危険性があると言っただけ。


まだ、確定している訳じゃない。


ただ、ほとんど決定事項ではあるが。


だって、大脳がほとんど死滅しているのに、生きているのだから。


そして、一番知りたいのは。


その寿命と治る可能性。


寿命は3~10年くらいらしい。


10年も私は彼が眠ってる姿を見るのか・・・。


そう思うと何か辛い気分になる。


そして、治る可能性。


それはかなり低い。


稀に治る可能性がある。


「稀」にだ。


まあ、遠まわしに治らないと言っているのだろう。


一縷の望みにかける。


これもいいかもしれない。


ただ、期待すればするほど、もしそれが叶わなかったときの絶望が大きくなっていく。


だから、私は期待しないことにする。


これが、植物状態。


正式名称だと遅延性意識障害だ。


私は、何度も読んだ本を閉じて、図書館を出た。


昨日お父さんに聞かれた、質問の答えはまだ出していない。


彼を殺すなんてありえないし・・・。


けど、彼の寝ている姿を見ているのもつらいだけ。


なら、辛くならないように一縷の望みにかけてみる?


私は自分にそう問いかけた後苦笑した。


だって、さっき完全に否定したことをもう一度考えているんだから。


私は、意味もなく電車に乗って新宿にいった。


そこで、みたもの。


たくさんのカップルが手を繋ぎながら歩いているところ。


高校生のカップル。


少し大人っぽく見えた。


そして、私と同じ歳くらいの中学生のカップル。


同じように恋人がいるはずなのに嫉妬してしまう。


私は一人で制服で歩いている。


でも、この恋人は2人で・・・。


不公平だよなぁ・・・。


私は・・・もう一度彼と一緒に歩いて、二度目のデートができるのかなぁ・・・?