私は彼が寝ている病室に音を立てることなく入っていった。
俊哉の病室は個室。
私は彼のベッドの横にパイプいすを立てて座った。
彼は安らかで気持ちよさそうな寝顔。
けど、それが逆に辛い。
なんでかって?
それはすごく簡単なこと。
彼はもう一生目を覚まさない。
ずっと眠ったまま。
そう。
彼は植物状態になったんだ。
「俊哉・・・。今日、前にやったテストの結果が返ってきたよ。数学さ、平均点50点で私、97点取ったんだ。どう・・・?すごくない・・・?」
私はそう彼に話しかけるが、当然返事は返ってこない。
「ねぇ・・・俊哉・・・。聞いてる・・・?返事してよ・・・」
私は涙を流しながら、彼の上に頭を当てる。
その時、ガラガラと小さな音を立てて、誰かが部屋に入ってきた。
私は顔を上げて、それが誰だかを確認する。
「俊哉君のお父さん・・・」
「来ていたのかい?」
優しい声でお父さんは言った。
「はい・・・」
「ごめんな・・・。こんなことになってしまって・・・」
「あはは・・・。お父さんのせいじゃありませんよ・・・」
「里奈ちゃんは・・・俊哉のことが好きかい?」
お父さんは当たり前のことを聞いている。
でも、その理由はわかる。
私に好きじゃない言っていってほしいんだろう。
言わないって分かってるのに。
もし、言えば・・・。
俊哉は・・・。
「私は彼のことが好きです・・・。今でも・・・」
パイプいすを私の隣にもう一つ出して、座ったお父さんにそういった。
「そうか・・・。なぁ・・・里奈ちゃん・・・」
申し訳なさそうな顔でお父さんは私の方を見る。
「はい・・・?」
「どうすればいいと思う?」
意外な言葉を私は耳にした。
お父さんが・・・俊哉と付き合ってまだ間もない私に意見を求めてきているんだ。
「安楽死させるか、このまま生き続けさせるかどうか・・・ってことですか?」
「ああ・・・。この決断は苦しい。母さんと話したが、結論は出なかった・・・」
「そんなの出るはずないじゃないですか・・・。どっちを選んでも・・・後悔します」
「そうだな・・・」
「ただ・・・私は・・・。自分勝手なお願いをすれば・・・俊哉君に生きてほしい」
「もう、目を覚ますことがないとしても・・・か?」
「はい。ただ、金銭面的に延命治療を続けていくと、莫大な費用がかかる・・・」
「そうだ。だから、悩んでいるんだ。大切な一人息子をどうするか」
「・・・」
「・・・」
私たちは自然と無言になった。
今まで、世界各地ではたくさんの植物状態の患者がいる。
もう、目の覚ますことのない無意味な命が。
けど、その周りの人たちにとったら、無意味じゃない。
大切な命。
だから、みんな悩んでそして決断をする。
はっきりいって、その命は失くしてしまった方がいい。
一般家庭ではまかなうことすら大変な費用。
でも、捨てられない。
だって・・・。
自分たちの大切な人を『自らの手で』なくす。
それをしなければいけないのだから。
一生罪悪感が残る。
最悪な選択肢。
いっそのこと、あそこで死んでしまえば・・・。
なんて思うかもしれない。
でも、現に彼は私の目の前で『生きている』
俊哉の両親は決断しなけらばいけない。
そして、相談された私もその一部として・・・。
私は、彼のお父さんに何て言えばいいだろうか・・・?
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押してくれるとやる気が出ます♪
九時までに終わらなかった!!汗
さっきスキー場から帰ってきました♪
新潟吹雪いてました~。。
初めてのボードでこけまくったしww
スキーの方が楽だなぁww
あ、そういえばストーリーに合わせて音楽変えてみました♪
パソコンから見てる人はぜひBGM聞きながら見てくれると嬉しいです☆