117話 暗闇から光へ | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

ここはどこだろうか?


真っ暗で何も見えない。


「裕樹君!!」


私は大切な人の名前を呼ぶ。


けど、その声は反響するだけ。


周り一面が闇に包まれている。


ここが死後の世界なのだろうか?


やっぱ、天国も地獄もないのかな。


私は、止まっているのも嫌だったので少し歩く。


けど、景色は変わらず闇のまま。


「・・・み・・・」


その時誰かの声がかすかに聞こえた。


どこからかは分からない。


けど、確かに聞こえたんだ。


私は闇雲に走り回る。


けど、その声の正体は分からない。


「どこ!?だれ!?」


私は叫ぶ。


「ゆ・・・み・・・」


今度はさっきよりはっきりと聞こえた。


私を呼ぶ声が。


そして声の主が。


優しく温かい声。


「裕樹君!!どこにいるの!?」


「由美!!」


どこからか、聞こえるがその場所が分からない。


もう一度私は走る。


すると、前方に光が見えた。


淡い光が。


私はそっちに向かって走る。


次第にその光が大きくなっていき・・・。


ついには、その目の前にまで来た。


「由美!!由美!!」


その声はこの光から聞こえているようだった。


「裕樹君・・・だよね?」


私はその光に向かって話しかける。


「うん・・・。由美・・・一つ聞いてもいい?」


「何・・・?」


「由美は生きたい?死にたい?」


彼が聞いてくる。


私はなんて返事をすればいいのか迷う。


裕樹君といたい。


けど、私は自分の罪を償わなければならない。


大切な人を裏切った罪を・・・。


「そんなのお互い様だよ・・・」


裕樹君が言う。


「この手に掴まって・・・」


光から一本の腕が伸びてきた。


「え・・・?」


「この手を掴んだら、僕はもう絶対離さない。由美とずっと一緒にいる」


「・・・」


私に・・・この手を掴む資格がある?


「もう・・・由美は負い目を感じる必要もないし、もう蓮と夏帆のことも忘れればいい。僕だけを見ててくれれば・・・」


「信じていい?」


「うん。僕だけがずっと由美のそばにいるよ・・・」


彼のその言葉で涙が出る。


「裕樹君・・・ありがとう」


私は彼の手を掴んだ・・・・。




目を覚ますと、そこは病室のようだった。


私は生きてるらしい。


良かったのか・・・悪かったのか・・・。


答えは分からない。


右手に何か温かいものを感じて機微を傾けて見る。


そこには、眠りながら私の手を握る君がいた・・・。