105話 もう・・・お互いが必要ない | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

~side由美~


君と夏帆のキスを見て・・・どんだけ苦しんだか・・・


君にはわかるかな?


いや・・・分かるよね?


私が苦しんで、蓮君のもとに完全に心が動いた時のキスを君は見たんだから。


お互いに苦しんでるんだ。


こんな苦しみ・・・辛いだけ。


だから・・・。


「君のことは好き。けど・・・」


別れよう。その言葉が出ない。


言えないよ・・・。


涙があふれ出す。


裕樹君を見る。


すべてを察したようだった。


「終わりにしようってこと・・・?」


裕樹君から言ってくれた。


「うん」


「由美と蓮が幸せになることを祈っておくよ」


彼が寂しそうな笑顔で行った。


ありがとう。そう言おうとした時、何か違和感を感じる。


今・・・裕樹君は「蓮」と言った?


「蓮君のこと知ってるの・・・?」


「うん。だって蓮は・・・」


そこで、裕樹君は言うのを止める。


「蓮は・・・何?」


私は裕樹君に先を諭すように聞く。


「いや・・・なんでもない」


裕樹君は顔を背ける。


その時、一瞬見えた表情。


嫌悪感に似た表情だった。


2人はどういう関係なんだろう・・・?


「それより・・・由美」


「何・・・?」


「携帯出して」


裕樹君は自分の手に携帯を持っていた。


「うん・・・」


私も携帯を出した。


「言いたいこと分かるよね・・・?」


裕樹君が私に聞く。


「うん。分かるよ」


私はアドレス帳を開いて、『杉原裕樹』の欄のところで枠を止めた。


「お互いにアドレスを消そう・・・」


その言葉は二人にとってとても非情な言葉。


遠距離の二人だから、連絡先を消したら間違いなく会うことはない。


こんな、偶然がない限り・・・。


でも、私は裕樹君のその言葉を否定せず、了承したんだ。


なんで?


そんなの簡単だ。


2人の人を好きになってたら辛いだけ・・・。


分かってるんだ。


お互いに、裕樹、由美はもう必要ないってことを・・・。


「じゃあ・・・消すね?」


「うん・・・」


そして、私たちはお互いのアドレス、電話番号を消した・・・。