103話 21時50分のメール | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

あんなのを見て・・・僕はどうすればいいんだろう?


ホテルのベッドで僕は考え込む。


あの後、僕は由美たちに話しかけずに帰った。


夏帆にも由美たちを見たことは言わなかった。


というか、言えるはずないのだが。


夢が現実になったんだ・・・。


蓮と由美がキスをする。


まだ、目を閉じればすぐに脳裏に浮かぶ。


あのキスシーン。


・・・。


時計の針が動く音だけが聞こえる。


今日は一人部屋だから、他に誰もいない。


隣からも声が聞こえない。


ほとんど無音だ。


この無音が僕に考える心のゆとりを与える。


そして、考えれば考えるほど・・・


思えば思うほど・・・辛くなる。


その時、携帯のバイブ音が鳴った。


・・・誰だよ。


僕は舌打ちをして、携帯を開いた。


宛名は由美からだった。


『久しぶり。今、稚内にいるんだよね?直接話したいから、昼間いた場所に来てくれない?宗谷岬に』


時計を見る。


時刻は21時50分を回っていた。


22時になれば点呼に先生が来る。


それが終われば抜け出せる。


『わかった。23時に行く』


僕はそう返信を返した。


君と会うのは何カ月ぶりだろうか?


あの時、心は一つだと誓いあったあの日以来だ。


今は・・・2人の気持ちにどれだけ変化が生じただろうか?


一つ言えることは、間違いなくあの時とは違う。


もう、単純に二人が愛し合ってるってことはない。


君の心はどれだけ蓮に動いている?


もう、僕より蓮の方が上回っているのだろうか?


そうじゃないと信じるのは自分勝手だろうか。


でも、信じたいんだ。


君の気持ちがまだ僕の方に向いていることを。


夏帆とキスをしといて・・・僕が言えるセリフじゃないことぐらい分かってる。


けど・・・。


その時、点呼の先生が来た。


そして、数秒の業務連絡を終えて先生がいなくなる。


・・・行くか。


僕は制服に着替えて、上からパーカーを羽織った。


これから、一時間後。


僕らは久しぶりの再会を果たすんだ。


二人きりで・・・。