102話 見てしまったもの | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

誰かの足音が聞こえて、僕は唇を離した。


周りを見渡すと一人の少女が岬の灯台に向かって走って行くのが見えた。


・・・キスを見られたのだろうか?


「ちょっと待ってて・・・」


僕は夏帆にそう言い、彼女を追う。


何か見覚えのある後ろ姿に、嫌な胸騒ぎがする。


「やば・・・」


僕は彼女を見失う。


辺りを見渡すどこにもいない。


諦めて、戻ろうとした時、すすり泣きのような声が聞こえて僕は立ち止まった。


「由美・・・俺が支えるから・・・」


男の声が聞こえる。


由美・・・?


僕は足音を忍ばせ声の方へ向かった。


2人は灯台の裏にいた。


死角にいて見えなかっただけらしい。


そして、その二人の顔が見えた。


そこにいたのは・・・蓮と由美・・・。


由美が蓮に抱きつく。


・・・なんだよ・・・これ?


蓮は一旦、由美を離す。


上目遣いで由美は蓮を見て、目を閉じる。


由美は蓮にキスを求めているんだ。


蓮が顔を近づける。


ドクン・・・ドクン・・・。


僕の心臓が波打つ。


・・・蓮やめてくれ・・・やめろ!!


心の中で絶叫する。


けど、蓮は止まらない。


そして・・・2人の唇が重なる。


僕の目の前で。


僕はそれに対して目を逸らさなかった。


ただ、虚しい傍観者になっていたんだ。


君と僕の道はもう繋がらない。


僕はその時、そう実感したんだ・・・。


だって・・・僕は君と蓮のキスを見て、


君は僕と夏帆のキスを見たのだから・・・。