95話 ずいぶんと軽い・・・ | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

過密スケジュールが終わった。


嫌な予感はなにも的中することもなく。


夕食を食べ終わって僕はホテルの自室に戻り


椅子に腰かけた。


相部屋の隼人は戻ってこない。


夕食を食べ終わったら部屋に戻るきまりなのに・・・。


まあ、隼人の性格からして先生の指示に従わないのは分かるけど。


風呂にでも行ったのかもしれない。


点呼までには戻ってきてほしいな・・・さすがに。


あんまり怒られたくないし。


明日からは違う人と相部屋だから今日一日の辛抱・・・か。


僕は立てかけてあった時計を見る。


7時30分。


当たり前だけど午後の・・・だ。


頼むから、10時までには帰ってこいよな~。


僕はそんなことを考えながらベッドに寝っ転がって目を閉じる。


みんなはきっと、男女混合でどこかの部屋で遊んでいるのだろう。


現に隣の部屋から、聞こえるはずのない女子の声が聞こえるし・・・。


声の数からして・・・2対2ってところか。


・・・俺にとってはどうでもいいことだけど。


変な声さえ聞こえてこなければ。


聞こえてきたら寝れなくなるし・・・。


『直樹君の負け~』


『直樹君、私とキスだよ』


『良かったじゃん。直樹、佳奈』


『良かった・・・のか?』


4人の楽しそうな声が聞こえる。


って・・・キスかよ。


ずいぶん軽いキスだな。


直樹も佳奈も・・・いつも大人しそうな人なのに・・・。


やっぱりこういう場所だと人は大胆になるのかもしれない。


壁が薄いのか、それとも異様に僕の耳がいいのか・・・それとも


先入観による擬音なのか二人の唇のかなさる音が聞こえた。


僕は自分の唇を触る。


キスは遊びでやるものじゃない。


例え好きな人であっても。


気持ちを伝えるのを照れ隠しするためのものじゃない。


お互いの愛を確かめるものだ。


けど・・・。


由美と・・・夏帆とキスをして・・・。


僕も人のこと言えない・・・か。


その時、ポケットの携帯が振動する。


僕は携帯を開いた。


「・・・!!」


夏帆からのメール。


そこには、ただ一言。


『助けて!!』


そう書いてあった・・・。