僕はバスに乗り込んであらかじめ決められていた
自分の席に座った。
隣に座るのは楓。
男女が隣に座っているのは、何組かだけ。
その中でも、恋人でもないのに座ってるのは僕と楓だけだ。
僕は窓側に座り、予定表を開いた。
今日は旭川に行くらしい。
で、明日が稚内か・・・。
二日目にして最北端に行くのかよ・・・。
で、網走・・・北見を通って釧路に行って、最後は帯広か。
一週間ぐらいで北海道一周する気か?
僕は、一日の詳細が載っているページを開く。
なかなかの過密スケジュールだった。
着いた早々いきなり旭川動物園らしい。
何考えてんだか・・・。
でも、午後7時には自由時間が待ってる。
所詮ホテルの中でだけど。
相変わらず、修学旅行って窮屈が多い。
もう少しドラマみたいな展開が起こりやすい計画にしてくれてもいいと思うんだけどな・・・。
その時、携帯のバイブ音が鳴る。
なんだろう・・・?
僕は携帯を開いた。
宛先は・・・楓・・・。
真隣に座っている楓からだった。
僕は楓の方を見る。
楓は少しご機嫌斜めになりながら携帯で何かをしていた。
僕は携帯を開く。
『そんなパンフレットばっか見てないで話してよ』
彼女がチラッと僕の方を見るのが見えた。
「じゃあ、なんか話す?」
僕は携帯をわざと大きな音を立てて閉じる。
すると、彼女は
「うん!!」
すごく嬉しそうな笑顔を浮かべる。
「何話そうか?」
何も思い浮かばなかった僕は楓にそれを振った。
「ん~・・・」
楓は自分の口に手を当てて考える仕草を見せる。
その時、どこからか、大きな音が聞こえた。
花火・・・だろうか?
昼間から?ありえない。
僕は窓越しに外を見る。
さっきまでの天気とは正反対の天気だった。
嫌に暗くなってる。
てことは、さっき聞こえたのは雷の音だろうか?
さっき、楓が言ったことを思い出す。
「今日嫌な予感がする・・・」
その言葉・・・。
あながち間違ってないような気がした。
もし・・・嫌なことじゃなくても、
何か・・・きっと何かが起きるんだ。