~side由美~
「寒いなぁ・・・」
北海道に着いた私の第一声がそれだった。
空港から出るとより一層寒く感じる。
さすがは北海道。
パーカーを着てきて正解だったな。
飛行機の中は暑かったけど、少しはこのおかげで
寒さが和らぐ。
まあ、それでも寒いんだけど。
制服だからしょうがないか・・・。
でも制服は堅苦しくて嫌だ。
動きづらいし、スカート長いし・・・。
ある程度はスカートの丈を短くしているのだけど、
短すぎると怒られるし、それにクラスだと浮くんだ。
みんな、選抜はスカート丈長いから・・・。
バスに乗ると、相変わらず無言。
小樽から目的地の札幌までそんなに距離があるわけじゃないけど
居心地が悪い。
もう少しうるさくてもいいんじゃないか?
他のクラスとかからおけとかするらしいのに。
何人か勉強してる人もいる。
札幌に着くと即座に自由行動に入った。
どうやら、観賞は明日かららしい。
そんなの私にはどうでもいいことなんだけど。
裕樹君が来るまで楽しめるとは思っていない。
会えるかもわからないけど。
みんなが何人かのグループになって散らばっていく。
私たちのクラスは個人では動くものの、
行く場所はみんな同じ。
・・・博物館。
さすがといえばさすがだ。
けど、私はそのクラスの一員ではあるが、
到底行きたいとは思わない。
わざわざ北海道で見たいもんじゃない。
だから、私は必然的に一人になる。
分かっていたことなんだけど。
左腕につけていた腕時計を見た。
10時半。
確か、またここに集合するのは4時だった気がする。
一日目は素晴らしく暇だな・・・。
まず、昼食を食べる場所とか探さないとな。
一人で浮かないところを・・・。
なんか、言ってて悲しくなるな。
私は苦笑して歩き出そうとした時
「由美」
後ろから声をかけられた。
その声は優しくてとても頼りになる声。
そう・・・。
蓮君。君だったんだ。