さぁ、登坂開始。
普段と違い、ワタシの右手には
『金剛杖 ~富士山焼き印入り~』(おみやげ用)
熊鈴が欲しいと言う相棒の願いを叶えるため
鈴が二つ付いた“それ”を持つことに…
(なんとも心許ない熊鈴。。。)
さて、一面に広がる火山礫(砂礫)。
何処に向かうと「双子山」なのかもさっぱり分からん。
とりあえず、斜面を登る…
足が滑る。。。
また登る
足が滑る。。。
『あは~っ…噂には聞いていたが、、、』
【歩きにくいことこの上ないわ
】
必要以上にストライドを拡げるが、コレが墓穴。
そりゃそうさ、、、だって、戻されるんだもん。
[その足]…
30分もしない内に「汗だく」になる…ワ・タ・シ
まてまて…こんなんじゃ、最後までもたんぞ。。。
意を決して、シャツを脱ぎ「Tシャツ」だけになる。
もぅ、見てくれなんか気にしない!!
そこにいるのは、ただの『メタボくん』でした。
相棒はサクサクと登っていく。
ワタシはズルズルと滑らされている…
『歩き方の問題か?』
そんな疑問が頭をよぎるが、どう変えていいかも分からず
結局、いろいろな歩き方を試すが…
どうやっても足は取られる…
『はぁ~……、気にするの止めよ。。。』
黙々と(いや“ヒィヒィと…”)登り続ける。
たまに歩みを止め、麓から吹き上げてくる
風…というか雲を眺める。
『風……は、心地よい~よぉ~
』
この風が上まで運んでくれれば、なお良いのに…
そんな勝手の妄想をしながらも、双子山の片割れに登頂。
もう一方の背後には富士がそびえている…
…はずだが、『真っ白で』何も見えませんでした。はい。![]()
反対側はどうなっているのか?
その疑問を解き明かすべく、荷物を下ろし歩いていく…
先には谷筋があるようだが、余りよく見えない…
適度に時を過ごし、荷物の場所に戻る。。。
さぁ、、、
相棒曰く、次に『幕岩』なるモノを目指すらしい。
「ふぅ~~ん」
何も考えのないワタシ。
「それどこ?」
と問うと、相棒…やや困惑の様子。
そう、どっちに行ったらよいか、イマイチ分からず…
見渡す限りの「樹林帯」
案内も何もない「山頂」
そもそも、「道」というモノを通って登った
という感覚さえないような場所。
簡単にいえば【ロスト】である。![]()
![]()
目指す幕岩への中継点である「四辻」なるもの…
…を探す。
あれかなぁ?
山の麓の「十字路っぽく」見えるモノを見る。
が、もしあれが四辻なら、目の前に広がる「樹林帯」を
歩けということになる・・・
『えっっ…マジで……』
友人の持つ「中途半端な地図」を借り
しばし、にらめっこ……
縮尺も何も分からないガイドマップに
うっすらと表記されている【等高線】だけが頼り。
『ふむ、、、四辻はあっちだ!!』
声高に叫び、歩みを進める…
(本当かどうかは、、、さっぱりわからん)
ま、、、違ったら『幕岩』を諦め、来た道を戻ればイイサ
そんな思いで歩き始めた…
ふと気づくと「金剛杖の鈴」が一個無くなってる![]()
(ありゃりゃ……なんの暗示だか……)
<つづく>












