ベスト・オブ・ザ・スーパー・ジュニア2011開幕戦、後楽園大会後半戦。
残り4試合はすべてジュニアの公式戦。
⑥金本浩二vsフジタ“Jr.”ハヤト
因縁の、というわけではないがこの二人が当たると否応なしに激しいシバキ合いになる。
ハヤトは入場時から気合い満点。金本のニューガウン、襟がやたらデカくてちょっとヘン。
金本がリングインするや否や襲い掛かるハヤト。のっけから逆顔面ウォッシュ。金本も同じ技で倍返し。
ちょっとした隙を見せたハヤトの背後からめずらしくコブラツイストからのレッグスプレットを仕掛ける金本。
乱戦気味になってエプロン下に立つ金本にハヤトがエプロンを走って右の蹴り。みずからの足首にもダメージがあるほどの強烈さ!とにかくハヤトの感情の表出がハンパない。
金本44歳、キャリア21年目。ハヤト24歳、キャリア7年目。親子ほどの年齢差、3倍のキャリア差を超えた感情のぶつかり合い!
コーナーに座り込む金本へハヤトのヘルム(膝蹴り)が真正面から決まったが、金本はやられながらもハヤトの脚をつかみアンクルで切り返す。
試合は金本のアンクルホールド、ハヤトのK.I.D.(フロントチョーク)をめぐる攻防に。
ハヤトは2度目のK.I.D.をアンクルで返されたが、金本が迂闊にバックを取りに行ったところを3度目のK.I.D.で逆に奪い返す。結局、これがガッチリと決まってレフェリーストップ。勝ったハヤト自身が一番驚いているかのような呆然とした表情。3回目のシングルで初めて金本から勝利をもぎ取った。
客席からは大きな「ハヤトコール」。新日本のファンたちにもハヤトの気持ち、「金本を倒したい!」という執念が届いたのだろう。金本自身の口からはギブアップの言葉は出なかったが、誰が見ても納得するハヤトの勝利だった。
⑦ザ・グレート・サスケvsTAKAみちのく
サスケのマスク側頭部には「がんばろう東北」の文字。東北出身の両者がジュニア最高峰を目指して新日本マットで闘う、感慨深い一戦。
開幕前のUST番組では「最近のジュニアの試合とは一線を画した試合をしたい」といったことを語っていたTAKA。飛び技、大技は最小限の試合になるのだろうか? 個人的にはそうした試合が好きなので興味大。
二人とも肉体のコンディションが充実しているようだ。ベテランとは言えこの辺りは立派。
途中、コーナーで蹴りつけられても「効いてねえぞ!!」と気迫を見せつけるサスケ。
TAKAはサスケの腰に照準を絞ったようす。ジャストフェースロックへの布石か。
戦前の言葉通り、派手な技は最小限だが、かといって難解な攻防ではなく誰にでもわかるシンプルかつ痛みの伝わる技を繰り出すTAKA。
一方のサスケはおなじみの逆トペからサブゥーポーズつきの自殺アトミコ。さらにコーナー上の攻防ではブレーンバスターが崩れたのか(あるいは意図的だったのか?)、ロープにTAKAの腹部を打ち付けて大きなダメージを負わせる。
TAKAはやはりジャストフェースロック狙い。ロープに逃げられると、とどめとばかりにみちのくドライバーを狙ったようだがこれはサスケにかわされる。
最後はサスケがまさかの卍固め。こらえたものの右肩を伸ばされた時点でTAKAはギブアップ!
意外な技で勝敗が決し、サスケの新曲(?)「希望のちから トゥモロー」が流れた。
⑧田口隆祐vs飯伏幸太
今や新日本のファンからもすっかり支持を受けている飯伏。先に入場したが田口を待つときの表情、目つきがいつになくシリアスだったのが印象的。
田口はシングルマッチ仕様のショートタイツ姿にベルトを持参して登場。今回はウエートを絞り、万全を期して開幕を迎えたようだ。
序盤はバックの取り合いで素早い攻防を見せる。
アピールの仕草等、心なしか飯伏はいつもよりも「よそ行き」な感じがする。
ジュニアタッグのタイトルをめぐって何度も対戦しているだけにお互いに手の内を知り尽くしているが、技の読み合いでは田口が一枚上回っていたように見える。
飯伏はその場飛びシューティングスター・プレスだけでなく、その場飛びカンクーン・トルネードも見せた。この技はいつ見ても思わず笑っちゃうほどスゴイ。なんであんなマネが出来るんだろう? はかりしれない身体能力をさらりと見せてくれるのが飯伏幸太という選手だ。
ファイアーバードをかわされたのが飯伏には痛かったか。
フィニッシュは「ミラノ作・どどんスズスロウン」。引退したミラノ・コレクションA.T.が使っていた技。彼に敬意を表して「ミラノ作・どどんスズスロウン」とのネーミングだと、今朝のツイッターで田口みずから明かしています。
⑨プリンス・デヴィットvsデイビー・リチャーズ
昨年から激しいファイトで頭角を現したリチャーズ。迎え撃つはIWGPジュニアのシングル&タッグ二冠王にして前年度覇者のデヴィット。何気にガイジン対決がメイン。
ゴング前からリチャーズが仕掛ける。この日はこのパターンが多いな。
序盤からノータッチ・トペコンヒーロで飛ぶデヴィット。彼のこの技を見て感心させられるのはロープを越えた瞬間に空中で姿勢制御をやってのけること。飯伏にしてもデヴィットにしても「難しいことを簡単そうに見せる」まさに人間離れしたプロレスラーの本領発揮だ。
ダイビングヘッドバットや負けん気のあふれるふてぶてしい表情など、本当にリチャーズはダイナマイト・キッドを彷彿させる。
リチャーズはコーナー最上段からの雪崩式ブレーンバスターから連続して、みずからの体が浮き上がるほどの勢いで垂直落下式ブレーンバスターを見舞うという仰天技も。
最後はパワーボムでリチャーズが勝利。前年覇者、現二冠王者が敗れるという波乱の結末で今年のスーパージュニアが開幕しました。
うーん、素晴らしい。開幕戦からこんなに見ごたえある試合の連続。さすがは新日本プロレス、さすがはジュニアヘビー級最高峰を極めるリーグ戦。その名に違わぬハイレベルな闘いの数々。ベスト・オブ・ザ・スーパー・ジュニア、ハードル高すぎっ!!
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