いよいよ開幕した新日本のベスト・オブ・ザ・スーパー・ジュニア。
5月26日、後楽園ホールでの開幕戦がサムライTVにてニアライブ中継されましたので、それを視聴しての観戦記です。
①KUSHIDAvs佐々木大輔(フリー)
佐々木は新木場でおこなわれた出場権獲得トーナメントを勝ち上がっての登場。序盤、挨拶代わりに思い切りのいいトペ。これでペースを握った佐々木のリズムで試合が進む。反撃に出るKUSHIDAは以前よりも一発一発に重みを増したように見える。エルボーの打ち合いあたりから手ごたえを掴んだのかKUSHIDAは一気に反撃。
最後はミッドナイトエキスプレスでKUSHIDAの勝利。ややアッサリとした感はあったもののフィニッシュは説得力のある一撃だった。
佐々木はナウオアネバーを出せなかったのが痛い。
最後はリング上からKUSHIDAが右手を差し出す。退場する佐々木もリング下からこれに応じた。
②タイチvsケニー・オメガ(DDT)
チャラチャラ&小ズルい&スネ夫的なキャラでヒール人気がすっかり定着したタイチ。本来ならば必要のない出場権獲得トーナメントを経ての参加。このあたりの不満をリーグ戦でぶちまけるか?
対するケニーには他団体からの参戦であるにもかかわらず入場から声援が飛ぶ。典型的なベビーフェース対ヒールの試合。
タイチはややビルドアップしたようにも見える。
ロープの外に上半身を出したり、なかなか組み合おうとしなかったり、騙し討ちを仕掛けたり、タイチが序盤から「らしさ」を見せる。
キックで反撃のケニー。ノータッチ・トペコンヒーロはタイチがよけたためセコンドの中澤マイケルにクリーンヒット。この流れで場外戦となりイス攻撃を仕掛けるタイチ。
ところでこの日はミラノ・コレクション・A.T.が放送席のゲスト。タイチの伸ばした前髪を垂らしたヘアースタイルも「その隙間から相手の表情をうかがっている」というナイスな解説。
一進一退の攻防。いつもは自らオーバーパンツを剥いでフィニッシュに繋げるタイチだが、この試合ではケニーに無理矢理剥ぎ取られてしまった。そこから溜めのあるクロイツラスでケニーが勝利。
ところでニアライブ中継では試合後のインタビューが放送されたがケニーのコメントを通訳するマイケルにいちいちカメラが向くのだが、そのたびにドヤ顔を見せるマイケル。…どうなのよ、それ?(笑)
③獣神サンダー・ライガーvsマスカラ・ドラダ(メキシコCMLL)
ドラダは22歳。なんとライガーの(ライガーとしての)キャリアと同じ年数!しかしその若さでメキシコマットではメインも務めるのだから大したもの。
入場してきたライガーにドロップキックで奇襲。ライガーもコーナーからのプランチャを見せるが、その後もドラダは飛びまくる。
結局、コーナー最上段から場外へのムーンサルト・アタックを食らったライガーが生還できず、ドラダのリングアウト勝ちという意外な結末。
ドラダもフラフラに近く微妙な感じだったが上半身がリングインしていたとの判断。
若手に肩を借りて退場するライガーはコメントも出せないほどのダメージ
結果として「ドラダは飛び技に頼りすぎ」というライガー発言への意趣返しとなった形だった。
④タイガーマスクvsTJP
パッと見、リッキー・マルビン(ノア)に見えるようなビジュアルのTJPは今回、参加選手の中でもっとも情報が少ない。かつてピノイ・ボーイ、あるいはピューマのリングネームで参戦経験があるとはいうもののそのときの印象が薄い。この日の試合を見る限り、技も的確で小気味の良いファイトスタイル。
最後はグラウンドで裏十字の体勢から両腕を捕獲したタイガーが羽折り固めを決めてゴング。めずらしいフィニッシュ。
ゴートゥースリープの体勢からオーバーヘッドキックを見舞ったり、完璧な形で450°スプラッシュを決めるなどTJPの実力は侮れないと判断したか。
バックステージでタイガーは「何も無い」とだけ言い残して控室へ消えた。
今年のリーグ戦、このTJPが鍵を握るかもしれない。
ここまでリーグ戦の公式戦4試合だが登場したどの選手もコンディションが抜群にいいのが印象的だ。
⑤天山&永田&井上vs田中&高橋&内藤
ヘビー級の試合が少ないジュニアのシリーズ。先日のタッグタイトル戦で不穏な空気の流れたNO LIMIT=内藤と裕二郎の関係がどうなるかに関心が集まった。
入場時から先に登場した内藤と裕二郎&田中将斗との間に距離があったCHAOS軍。試合中も裕二郎は内藤にタッチを交わさない。田中もタッチはしたもののややためらってから内藤と変わった。
内藤自身の試合はいつも通りの軽快なもの。しかし裕二郎は内藤からのタッチを拒否。不穏なんてものじゃない。ロープに飛んだ内藤の背中を裕二郎が叩きつけたことで分裂は決定的。
ダメージのある内藤のタッチ要求を裕二郎&田中の両社が拒否。終盤は内藤が孤立し、事実上1対3のハンディキャップマッチのような展開。最後も井上亘のスピアーが決まっても見殺しのような形。
試合後は裕二郎が内藤を担ぎ上げ決別の「東京ピンプス」。田中も竹刀で打ち付ける。邪道&外道も現れ、内藤がCHAOSにいたぶられる追放処分。
マイクを持った裕二郎はNO LIMIT終焉を告げただけでなく「オレはコンプリート・プレイヤーズに入る!」と宣言。
もともとタッグチームへの考え方に大きな違いのあった内藤と裕二郎。シングル志向の強い内藤がCHAOS軍から浮いてしまうのは必然だったか。
CHAOS軍はバックステージで内藤を「アイツは使えない」、「足を引っ張るだけ」とこき下ろした。
客席は内藤を応援する声援が多かった。制裁を受けているときには正規軍からの救援も無かった内藤。今後はどうするのか?
ここで休憩。前半終了です。
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