ペルソナ・ノン・グラータ | アジアの季節風

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 最近「ペルソナ・ノン・グラータ」という言葉をよく耳にするようになった。

 

 民主党政権の時の国家公安委員長をして今は無所属になった松原仁氏が、先日国会の外務委員会での質疑の中で使った言葉のようだ

 

 

 念の為この言葉の意味を調べてみるとこのように説明されていた。

 

《ペルソナ・ノン・グラータ ( ラテン語: Persona non grata 、 英語: person not welcome )とは、派遣された外交官が接受国にとって受け入れがたい場合,派遣国に特に理由を示さずその旨を通告する語。》

 

 つまり好ましからざる外交官を一方的に「国外退去処分」に出来るという事だ。


 松原氏のこの発言の裏には、10日ほど前の記事だがこんなことがあった。

 

松原仁氏「内政干渉だ」上川外相「全容把握せず」 中国総領事が訪台国会議員に書簡で抗議
5/31(金) 13:27


上川陽子外相は31日の衆院外務委員会で、中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事が台湾総統就任式に出席した日本の国会議員に抗議書簡を送っていた問題について「文書の全容を把握していないので所感は控えたい」と述べた上で、「内容を精査する。必要な対応は適切に検討していく」と語った。松原仁衆院議員(無所属)の質問に答えた。

問題の書簡は「台湾といかなる接触と往来もせず、『台湾独立』に反対し、国家統一に努める正義の事業を理解・支持」を求め、日本の国会議員による総統就任式出席を「『台湾独立』分裂勢力の肩を持ち、極めて誤った政治的シグナル」とした。

台北市で20日に開かれた頼清徳総統就任式に出席した日本維新の会の和田有一朗衆院議員(比例近畿)や衆院会派「有志の会」の北神圭朗衆院議員(京都4区)の選挙区事務所への送付が確認された。

松原氏は「完全に恫喝(どうかつ)だ。日本の国会議員に対し、台湾と接触するな、往来するなと言っている。内政干渉ではないか」と指摘した。

中国の在外公館関係者を巡り、問題視される発言が相次いでいる。呉江浩駐日大使は20日、東京都内の中国大使館での座談会で日本と台湾の関係について中国の分裂に加担すれば「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」と発言。昨年4月の着任会見でも同様の発言をしており、それぞれ日本側は中国に抗議した。

松原氏は「総領事は恫喝を日本の国会議員に加える。大使は一般の日本人を火の中に連れ込むといっている。やり過ぎではないか」と述べ「遺憾だ、遺憾だと言うのではなく、行動する外交を期待している」と外交上の「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからざる人物)として呉氏らを追放すべきだと指摘した。

上川氏は「ご指摘の点も含め、今後の対応について予断を持って答えることは控える」と述べるにとどめた。(奥原慎平)(産経新聞)

 

 松原氏はいつも国家観に基づいた適切な質問をする人で、私も前から好きな議員の一人だが、今回もさすがだと思った。

 

 それに対して上川大臣の答弁は、いつもながら官僚が書いた答弁書をそのまま下手に棒読みを繰り返すばかりだ。

 

 こんなどうしようもない人物を、最近はマスメディアでもポスト岸田の女性最有力候補みたいに持ち上げているが、どういう感覚をしているのか私には全く理解できない。

 

 大使に限らず外交官というのは、滞在先の国民と本国とを関係が上手く行くようにするのが仕事なのに、この呉駐日大使は逆に日本国民を脅している。

 

 それに対して国外退去どころか、強い抗議すらできない上川外相というのはもう話にならない。よくこんな人間を次期首相にとか言えるもんだ。

 

 松原氏のこの提案からもう10日以上過ぎたが、外務省も外務大臣もこれまでの方針を強めたという報道は一向に聞かない。

 

 こんなことでは日本は中国や韓国などから、益々嘗められるばかりだろう。本当に情けない。