またもや悲しい老老介護の果て事件 | 鬼妻ファイト日記

鬼妻ファイト日記

毎日の姑とのバトル日記を、完全卒業しました。
10年の在宅介護を終えてからの姑は、施設に2年、療養型病院に
2年入院しましたが、令和4年11月3日(文化の日)に、97歳にて他界しました。
これからは、自分の老後の日記を書いていこうと思っています。

 

 

こんなニュースを目にするたびに、胸が苦しくなります。

介護を実際経験した者にしかわからない苦しみと悲しさです。

ただ介護しているだけならこんな軋轢は生まれないと思うのですが、介護されている者も人間、人間としての機能をあれもこれも取り上げられ、ストレス満載の体と心の持ち主になっているわけです。

いつもいつも「ありがとう」「すみません」って言ってられない時もあるのです。

 

ということがわかっていても、介護する方はやっぱり地獄です。

 

今回のこの事件の判決がちょっと注目されたのは、

「周囲のサポートを拒んでいて典型的な介護疲れの事案と同視することはできない」

と言い渡されたことです。

なので執行猶予はつかず、3年の実刑が下されたのです。

「自分一人で介護しなければならない」という強いこだわりから介護施設に入所させることをためらい、一方的に悲観して、被害者の命を奪ったと判断されたのです。

 

法律って何なんでしょう。

誰のためにあるのでしょうか。

 

私も寅ちゃんのように「はて?」と首をひねりたくなります。

 

40年も介護した上に、ひとりよがりなどと判断されて、82歳で牢獄です。

こんな理不尽なことがあるでしょうか。

 

介護ってね、一度始めたら終われないんです。

だから怖いんです。

もう相手が死ぬのをひたすら待つだけなんです。

こんなこと書くと不謹慎だって怒られますが、どうしようもならなくなる感情が芽生えるのも介護なんです。

 

実は、私の知り合いにも老老介護の果てに心中したご夫婦がおります。

介護されていたのは年上の奥さんの方です。

奥さんの方がご主人と離れたくなくて、施設を拒んだそうです。

でも、ご主人にも限界が来てもうこれ以上介護は無理だと思ったようですが、

「それならあなたの手で私を殺して」

と訴えたと言います。

 

こんな末路もあるのです。

この82歳のご主人も、自分も死のうと思ったけど死ねなかったんですよね。

 

こんな事件、たくさんあります。

 

殺すことは確かにいけませんよ。

でも老老介護の果ての殺人は、せめて執行猶予をつけてあげたかったです。