【手術から一年】 局所性ジストニア発症〜己との対峙 <第2話> | Yoshito Tanaka Official Blog

Yoshito Tanaka Official Blog

田中義人オフィシャルブログ Powered by Ameba


(photo by ハートフルギター教室 黒河内先生)


<第2話>
 
2016・1
ツアーを終えて
僕は自分の中に起きている事を
冷静に受け止めようとした
 
一体自分の中で
何が起きてるのか...
 
沢山の書籍を読んで
紐解こうとした。
 
ジストニアについても
この時に勉強し、
脳外科手術という
壮絶な治療法がある事を知る。
 
2016・2
松下奈緒さんの東名阪ツアー
この頃になると、
本当に弾けるのだろうか?
 
という不安感が常につきまとって
音楽をやる事、ステージに立つ事の
限界を感じてきた。
 
しかも、それまでピックを持ったときに
だけ出ていた症状が
箸、ぺん、しゃもじを持った時にも
現れるようになる。
 
またガットギターを弾く時にも
手を弦の上に持っていくと
手首から反り返るようになり
ギターを弾く事自体に
限界と絶望を感じていた
 
この頃
super jetter というSessionで

https://youtu.be/liSQn2y8ydM

初めて古川さんと共演。
 
話を聞いてもらった
この時点で辛うじて演奏は出来てるが
手首が固まり自分的には自由な演奏とは
程遠かった、、
 
音楽で自由に表現出来ない
自分にもどかしさを感じた
 

症状は一向に解消せず

余計に酷くなる症状に焦りと

苛立ちは抑えらえなかった

 

2016・3

 

いくつかの手の外科に訪れる。

 

あるクリニックでは 、
これはジストニアではないと言われ
ブロック注射を打ったが

手の感覚の違和感がますばかりで

効果はなかった。
 

そして

いくつかのクリニックを

渡り歩いた後に、

 

酒井クリニックを受診
(後に東京女子医大音楽家外来)

 

酒井クリニックでは
レントゲンを撮影したが

首、腕、骨、腱などに、
問題が起こる程の目に見えた疾患はなく

これは脳が動作を学習してしまった
機能的な問題
つまり局所性ジストニア
(この時酒井先生は何故か
ジストニアもどき?!と診断した)
ですと診断され、

それまで色々な本を読んできて
怪しいな?!とジストニアを疑ってきたが、
それが悲しくも確信となった日だった。

 

酒井先生には
薬を処方して頂いた
てんかんの薬として有名な

リボトリール

http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se11/se1139003.html

 

そして何故か心臓の薬である

 

アロチノロール

http://kusuri-jouhou.com/medi/heart/arotinolol.html

 

両方とも残念ながら僕には効果が感じられなかった。

肉体的にも精神的にも追い詰められていった時期

 
2016・3中旬
 
スキマスイッチのツアーの
仕込みをしている時に
腕の反り返りの症状が酷くなり
ツアーに参加する事を断念
 
年間を通して様々なアーティストの
スケジュールを頂いていた為、
キャンセルする事の心苦しさと
音楽を共有出来ないことに
歯痒さと、もどかしさを感じた
(各方面に多大なるご迷惑と
ご心配をおかけしました!)
 
そこからリハビリの日々…
先の見えないリハビリ
 
2016・4、5
Mondo Grossoの制作が
始まり、大沢さんに病気の
事を打ち明ける、
思えばMondo Grossoの
制作があったから自分の
気持ちをなんとか維持できたのかも
しれない
 
またこの頃youtubeで拝見していた
ハートフルギター教室の黒河内先生も
東京女子医大で脳外科手術を
受けていた事を知り
レッスンを受けたい旨伝えて
身体の使い方(アレキサンダーテクニークなど)や、
手術後の経過など参考になる
様々な事を教えて頂いた。
 
2016・6
ジストニアで
脳外科手術を受けた人、
リハビリで完治に近い状態
まで持って行った人を
mixiや色々なところで見つけ
積極的にコンタクトをとり
話を伺ったりし、
とにかく情報を集めをした。
 
リハビリでは大抵の人が
症状が寛解するまで
10年以上かかっている。
 
自分は色々な意味で10年も
待てないと、、
 
僕は東京女子医大の音楽家外来
酒井先生の指導のもと
感覚トリックや薬の服用
色々な事を試みたが
僕には効果がなかった
 
とはいえ酒井先生には
大変お世話になった
何故か僕のalbumも持って
くれていて、、僕の音楽に
対する情熱を理解して頂いていた。
 
この頃から
うっすら手術を意識、
覚悟を始める
 
2016・6/9
クライズラー&カンパニーでの
自身、初めての武道館公演から
丁度一年経過した、その日
東京女子医大の平先生を尋ねる。

先生の前で楽器を弾き
間違いなく 局所性ジストニアで
手術すればよくなる可能性がある事を
告げられる。
 
あなたの場合は右腕の手首に症状が
出てるから、大きな筋肉は比較的治しやすい
手術を受ける価値はあると言われる
 
2016・7
指では辛うじて弾く事が出来た
(ジェフベックの様な感じに近い)
松田肇さんが2人でセッションしようと
誘ってくれて、とにかく久々に
音楽の楽しみ、喜びを実感する
とはいえ現実と向き合うのが
辛い時期だった。
 
2016・8
2回目の平先生診察
もう迷いはない手術を
お願いしようと決意。
 
平先生も大変お忙しく、
予約が入り過ぎていて
早くても前回から
2カ月後の診察と言われたので
このタイミングになった。
 
平先生と話をして
東京女子医大だと
手術が年内ずっと入っているので
年明けになると告げられる
 
もし年内が良ければ
埼玉にある三愛病院に毎週
火曜日に平先生が行っているので
そこで手術を受けられるとの事
 
もう迷いはなかったので
ソレでお願いしますと、
お伝えし10/11に埼玉
三愛病院にて手術を受ける事に
なった。
 
とうとう手術へ…

第3話へ