ピンとテーラーメイドのMOI10Kは方向性が違うことについての解説みたいなもの | 日々是ゴルフ

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みたいな変わった経歴のゴルファーが綴るブログです

こんにちは。長いタイトルだな。最近のライトノベルやアニメはすげえタイトル長いですけどあれでもう見なくていいやってなるのは私だけでしょうか(どうでもいい)。

 

 

さて。毎年恒例の新製品発表ラッシュの時期ではあります。テーラーメイドとキャロウェイがしのぎを削るのは本当に恒例行事ですが、今回はそれにピンもひっそりと混ざる形。

 

個人的にはドライバーよりもピンのブループリントSアイアンに食指が動くのですが、今回はドライバーについて。それも同じMOI――正確にはクラブヘッドの慣性モーメントになるのですが、上下左右合計10K超えを謡ってきたピンの【G430MAX10K】と、テーラーメイドの【Qi10MAX】の違いというか、たぶん一般ユーザーには伝わっていないであろう二機種の方向性について語ってみようと思います。

 

 

まず、MOIを上げる目的に関しては両社とも同じです。これはMOIが大きい=芯を外してもボールフライトに対する影響が少なくなる、というのはゆるぎないことです。

 

左右に関しては5900g・㎠で規制されているため、今回の10Kというのは左右と上下も慣性モーメントを大きくし、タテのブレに対してもミスヒットに対する許容性を増やした、ということになります。タテとヨコそれぞれの慣性モーメント合計値が10000超え、ということですね。

 

要はフェースの下目で打っても上目で打っても弾道に差が出にくい、というわけです。

 

 

最近はこの大慣性モーメントに関しては、「慣性モーメントが大きくなりすぎると振りにくくなってスピードが落ちる」などともいわれてますが、それは安定性とのトレードとなりますのでどちらがいいとは一概には言いにくいですね。好みによるかと。

 

まあ実際に慣性モーメントが大きいクラブは私自身も振りにくさは感じるため、ヘッドスピードも幾分落ちるんじゃないかと思うのでスパッと振って飛ばしたい方はある程度慣性モーメント小さめの物を選んだ方が好みに合う気がいたします。

 

 

閑話休題。一度まとめると高慣性モーメントは

 

・メリット

  芯を外してもフライトへの影響が少ない(飛距離・方向性共に)

  クラブの挙動が一定になりやすい

 

・デメリット

  ボールフライトを操作しようとしても変化が出にくい

  振りにくさを感じることがある

 

 

みたいな感じになります。

 

 

で、肝心の今回のピンG430MAX10KとテーラーメイドQi10MAXのクラブとしての方向性の違いですが、メリットを優先させて開発したのがQi10MAXで、デメリットをむしろメリットに変えようとして開発されたのがG430MAX10K、といったところです。

 

 

どういうことかというと、

 

テーラーメイドQi10MAXに関しては想定メインユーザーはメリットをそのまま享受できる「ヘッドスピードのあまり速くない、打点ブレもある程度出てしまうクラブに『やさしさ』を求める人」になります。

 

打点のブレとスイングのブレをそのまま高慣性モーメントが助けてくれる人ですね。ミスヒットやミススイングでOBになってしまうボールをラフでとどめてくれる、というよく一般的に言われている「やさしさ」に特化したドライバーです。ドライバーに悩んでいる人の平均飛距離を伸ばしてくれるタイプ。

 

 

対照的にピンのG430MAX10Kに関しては、むしろヘッドスピードが速く、高慣性モーメントがおこす振りにくさを安定性に寄与させたうえで多少芯を外しても振りぬいて飛距離を伸ばすタイプのドライバーです。

ヘッドスピードが速い人が細かい操作性は気にせずドライバーを振り回して遠くまで飛ばそうとするタイプ。慣性モーメントが低いと機敏に動きすぎて難しくなる、という人ですね。

なので、味付けとしては「G430MAX」の10K版、というよりは「G430LST MAX」といったほうがピンとくると思います。

 

ピンはPGAツアーの選手が使うタイプ、といえばわかりやすいでしょうか。Qi10MAXはあまりプロは使わないと思われます。まあコリン・モリカワ選手とかは使うみたいですけど。SIM使う人が継続して使うかなぁ……。ジェルとか入れて10Kじゃなくなってんじゃねえのか。

 

 

基本的にはスピン量の多い少ないが大きな違いです。Qi10MAXが多め(多すぎることはない)、少ないのがG430MAX10K。

 

 

両メーカーとも慣性モーメント10Kを謳っているため競合する、と思われがちですがタイプとしては全く別のクラブですので注意が必要です。ピンならQi10MAXと競合するのはG430MAX10KのHL(軽量版)かなぁ。重量帯が違うのでG430SFTかな。

 

 

 

個人的な感想を言わせてもらうと、これには一応理由というか見えてくるところがありまして。

 

テーラーメイドは初代のステルスがすごい売れたのですが、そのぶん普段テーラーメイドを使わないような層の人も購入して「ステルス(≒カーボンフェース)は難しい」というちょっとこちらから見ると理不尽な評価がついてしまったところがあるんですよね。

ちょっとそこを払拭するためにもステルス2のHDとかはかなりテーラーの本流っぽくない感じになっていたのですが、今回のQi10でさらにそこを補強しに来た感じです。

 

 

ピンは普通にMAXとLSTの間、名器と名高いG400MAXの後継となりうるところを狙って出してきた感じですね。あとは2年サイクルなので、どうしても話題性という部分で存在感が薄くなっちゃうのでこの時期だったのかな、と。ターゲットユーザーはそれほど広くないですしね。限定というわけではないですが、なんとなくですが品薄気味になって販売終了しても中古価格とかも下がりにくいクラブになるんだろうなーという感じがします。

 

 

たったかと走りぎみの解説ではありましたがいかかでしたでしょうか。まだ両社とも試打クラブは出回ってない(ピンは今日から、テーラーメイドは来週から)なのでぜひ打ってみていただいて、私の言うことも何となくわかっていただけたらなぁと思います。

 

 

キャロウェイはなんか慣性モーメントなんていらねぇ、AIフェースで何とかすんぜ感がでててこれはこれで面白いですが。

 

まあせっかくの年に一度のお祭りみたいなものなので、みなさん楽しんでいただければと思います。

 

 

それでは今回はこの辺で。