「学びの松戸モデルを、授業でどう生かす?」
「学びの松戸モデル」と「学びの共同体」の融合
1️⃣ 盛り込める「接続ポイント」
松戸モデルの中で、特に相性が良い領域は次の4つです。
🌱 ①「ことば・対話」を核にした学び
学びの共同体の核は、
- 聴き合う
- 対話する
- 根拠を説明する
という「ことばの学び」。
👉 松戸モデルの
「ことばを育む」「人がつながる学び」と完全一致。
🏫 ② 学校・家庭・地域の協働
学びの共同体は、
教室 → 学校 → 地域へ広がる学び
という構造。
👉 松戸モデルの
「地域ぐるみの学び」「生涯学習」と接続しやすい。
👩🏫 ③ 教師の学び(専門性)
学びの共同体は、授業研究や公開授業など、
教師が学ぶ学校文化
を重視。
👉 松戸モデルの
「学びを支える仕組みづくり」と自然に連動。
🧭 ④ 子ども主体・探究的学び
探究・協同・対話は、
GIGA、探究、キャリア教育
とも連動できます。
2️⃣ どう盛り込む? ― 段階的プラン
🔹STEP 1:理念の接続(無理しない導入)
まずは、計画書・研修資料の中に
「学びの共同体」の考え方を “参考モデル” として位置づけるだけで十分です。
提案文の例(教育計画中の一文)
「対話的・協同的学びを促進するため、学びの共同体の知見を参考に、授業改善・校内研修を推進する。」
👉 これなら反発が少なく、関係者にも受け入れやすい。
🔹STEP 2:試行校(モデル校)を設定
いきなり全市ではなく、
- 小学校 2校
- 中学校 1校
程度でOK。
取り組み内容
✔ 協同学習の授業デザイン
✔ 授業公開・リフレクション
✔ 子どもが話し合う「円卓型」教室配置
✔ 授業記録 → 共有
👉 ここで「成功事例」を作ることが重要。
🔹STEP 3:教師の学びの共同体(PLC)づくり
“先生同士が学び合う”
これが最も重要で、かつ現実的。
具体策
- 月1回の校内公開授業
- 学年チームで授業検討会
- 研究主任+外部講師で伴走
- 授業動画を共有
👉 教師が「やらされ感」でなく「学びたい」に変わると、自然に広がります。
🔹STEP 4:地域の学びへ展開
学校だけで終わらせない。
できること
- 授業公開を地域に開く
- PTA・地域住民も対話型ワークショップに参加
- 生涯学習講座でも「対話型」を取り入れる
- 図書館・公民館で協同学習型講座
👉 “学ぶ文化” が市全体に広がる。
3️⃣ 期待される成果
🌟 子ども
- 話せる・書ける・聴ける
- 自分の考えを持てる
- いじめ・不登校の予防効果
🌟 教師
- 授業力の底上げ
- 学校文化が温かくなる
- 新人教師の定着
🌟 地域
- 学校が開かれる
- 市民の学びの交流が活性化
- 「教育のまち」というブランド形成
4️⃣ 想定される課題と対策
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課 題 |
対 策 |
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教師の負担感 |
既存会議を削り、授業研究へ転換 |
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形だけの協同学習 |
伴走型研修+授業記録で質保証 |
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「理念先行」批判 |
まずはモデル校で成果を示す |
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予 算 |
研修中心 → 低コストで可能 |
✨ まとめ ― 盛り込むベストな形
👉 「松戸モデル」=全体構想
👉 「学びの共同体」=授業・学校改革の中身
として、
🔹理念に組み込む
🔹モデル校で実証
🔹教師の学びをつくる
🔹地域へ広げる
この順番が、最も現実的で効果的です。
【提案書】
「学びの松戸モデル」に〈学びの共同体〉の仕組みを組み込む提案
1.提案の目的
本提案は、松戸市が掲げる
「ことばを育み、人がつながる学び」 をさらに発展させ、
児童生徒・教師・地域が「学び合う文化」を共有する
ことを目指します。
そのために、教育学者・佐藤学氏らが提唱する
「学びの共同体」 の理念と実践の枠組みを、
「学びの松戸モデル」に段階的に組み込むことを提案します。
2.導入の背景と課題認識
学力の二極化、学級不安、教師の多忙化、家庭・地域とのつながりの希薄化など、
学校現場を取り巻く課題は複雑化しています。
一方で、GIGAスクール・探究的学習・地域連携など、学びの可能性は広がっています。
しかし、
- 学びが「対話」や「思考の深まり」につながりにくい
- 学校内で授業研究が蓄積されにくい
- 地域と学びが分断されている
といった課題が残ります。
そこで、
授業 → 学校 → 地域へ広がる「学び合い」の循環
をつくることが重要です。
3.学びの共同体の基本理念(要点)
学びの共同体は、次の3本柱から成り立ちます。
- 聴き合う関係づくり
安心して考えを語り合える学級文化 - 真正の学び(本質的課題)
現実や生活と結びついた、意味のある学び - 協同的な学習デザイン
対話・交流・振り返りを柱にした授業づくり
これは、松戸市の掲げる
- ことば
- つながり
- 生涯にわたる学び
と極めて親和性が高い枠組みです。
4.導入の全体像(段階的計画)
【第1段階】理念の共有(1年目)
- 教育委員会・校長会向け説明会
- 研修会(年2回程度)
- 松戸モデルとの接続整理(手引き作成)
無理のない範囲で、「参考モデル」として理解を深める。
【第2段階】モデル校の指定(1〜2校×2年間)
- 公募または指定で小中数校をモデル化
- 教室配置・授業デザインの改善
- 公開授業・授業研究会の実施
- 実践記録(授業映像・事例集)を蓄積
成功事例を市内で共有し、説得力を高める。
【第3段階】教師の学びの共同体(市内展開)
- 月1回「授業リフレクション」会議
- 学年・教科チームの研究
- 外部アドバイザーによる伴走支援
- 若手教師のサポート体制強化
教師の負担を増やすのではなく、
「会議 → 授業研究」へ置き換える運用を行う。
【第4段階】地域・生涯学習への拡張
- 授業公開を地域へ開放
- PTA・市民向けの対話型講座
- 図書館・公民館の講座で協同学習手法を活用
- 地域大学・NPOとの連携
学校だけでなく、市全体で「学び合う文化」を形成。
5.期待される効果
① 児童生徒
- 聴く力・話す力・書く力の向上
- 自己肯定感・自己表現の向上
- いじめ・不適応感の減少
- 探究心・学習意欲の向上
② 教師
- 授業力の底上げ
- 校内に「学び続ける文化」が定着
- 若手の早期離職防止
- 研究成果の蓄積・共有
③ 地域
- 学校が開かれた学びの拠点に
- 大人も学び合う生涯学習の促進
- 松戸市の教育ブランド向上
6.実施体制とコスト
基本方針:低コスト・高効果
- 既存予算の範囲で研修中心に実施
- 外部講師は年数回に限定
- モデル校での実践を資料化し全市に共有
- ICT活用により研修のオンライン化
施設整備よりも、「人の学び」への投資を重視。
7.評価と検証
以下の観点で毎年検証します。
- 子どもの学習意欲・自己肯定感調査
- 授業観察チェックリスト
- 不登校・問題行動の推移
- 研修参加率・教師アンケート
- 事例集・映像教材の蓄積数
結果は年次レポートとして公表し、改善に活用します。
8.まとめ
「学びの松戸モデル」は、市全体の未来を描く壮大なビジョンです。
そこに「学びの共同体」の考え方を組み込むことで、
机上の計画 → 現場で機能する学び
へと進化させることができます。
松戸市が、
子どもも大人も、共に学び続けるまち
として全国のモデルとなることを願い、本提案を提出いたします。
「学びの松戸モデル(言語活用)」の内容の子どもへの声掛け例
🌿 小学校:声かけ事例
① 意見を言おう
▶ ねらい:自分の考え+理由を言語化する
- 「あなたはどう思った? “なぜそう思ったか” まで教えてね。」
- 「同じ意見の人はいる? 違う意見の人は?」
- 「自分の言葉で言い直してみようか。」
② わかりやすく伝えよう
▶ ねらい:整理して伝える
- 「最初・中・最後の順番で説明してみよう。」
- 「相手に伝わるように、例を一つつけてみよう。」
- 「聞く人が『なるほど!』と思える言い方はどれかな?」
③ 分析しよう
▶ ねらい:根拠をもとに考える
- 「絵(文章)の “どこ” をヒントにしたの?」
- 「証拠になるところを指さして教えて。」
- 「推測と事実は、どこが違うかな?」
④ その人になって考えよう
▶ ねらい:視点の転換
- 「主人公の立場だったら、どんな気持ち?」
- 「反対の立場なら、どう見えるかな?」
- 「“ぼく(わたし)は…” に書き直すと、どう変わる?」
⑤ 話の要点をとらえよう
▶ ねらい:大事な情報をまとめる
- 「一番伝えたいことは、ひとことで言うと何?」
- 「キーワードを3つ選んで、短くまとめよう。」
- 「友だちに説明できるかな? やってみよう!」
⑥ 批判的思考力を高めよう
▶ ねらい:多面的に見る
- 「ほかの見方もあるかな?」
- 「それって、みんなに当てはまる? 例外はある?」
- 「別の資料と比べたら、どう変わる?」
🌱 中学校:声かけ事例
(少し大人向けの言い方にしています)
① 意見を言おう(書く含む)
- 「主張・理由・根拠をそろえて話して(書いて)みよう。」
- 「“私は〜と考える。なぜなら〜だからだ。” でまとめてみよう。」
- 「反論が来たら、どう返す?」
② わかりやすく伝えよう
- 「聞き手を決めて、伝え方を調整してみよう。」
- 「図や箇条書きで整理したら、どう変わる?」
- 「先に結論→理由の順で話してみよう。」
③ 分析しよう
- 「事実/意見を区別して整理しよう。」
- 「引用できる根拠はどこ?」
- 「条件が変わったら、結論も変わる?」
④ その人になって考えよう
- 「立場A・立場B、どちらにも理由があるとしたら?」
- 「書き手の背景や状況は、判断にどう影響している?」
- 「“もし自分がその場にいたら” を前提に考えてみよう。」
⑤ 思考力を高めよう
- 「原因と結果を、筋道立てて説明しよう。」
- 「仮説を立てて、検証してみよう。」
- 「既存の考え方を組み合わせると、新しい見方は生まれる?」
⑥ 批判的思考力を高めよう
- 「その情報は、誰にとって都合がいい?」
- 「別のデータや視点があるとしたら?」
- 「“本当にそうか?” と問い直してみよう。」
✨ 学びの共同体らしさを出すポイント
声かけは常に:
✅ 否定しない
✅ “なぜ?” を一緒に探す
✅ 子ども同士の対話へバトンを渡す
たとえば——
「いい意見だね」ではなく
「その考えに“理由”を足してみよう。」
「正解!」ではなく
「同じ考えの人はいる? 違う人は?」
とすることで、
👉 子どもが考え続ける授業になります。






