目次2、「自殺未遂の女」 | カメラマン 兼 作家の備忘録

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あの頃まだJekyllから時々Hydeだった、だが今ではもうすっかりハイド時々ジキルなのだ。

 

 彼氏が夜勤のバイトだということで、彼女の部屋に泊まる事があった。

壁の上に大きな額縁に入ったいくつかの賞状が目に入った。

 

国立大学院の「博士課程終了」や「特別教員免許」など三つ四つ飾ってあった。

「これ全部私ので、数年前まで○○大学の教壇に立っていた」と言った。

 

俺はビックリした、この女は高学歴の秀才であり、普段からはその片鱗さえ見せない。

 

○○○の途中から変貌する姿、新しい刺激にゾックゾクした。

まるでハイドとハイドの○○○

 

あの若い羊ちゃんは、いつもこのオオカミ女の餌食になっているのか~と思った。

 

 

 

共通の友達のさゆりって子を通して俺にLINEが来た。

「○○ちゃんが、これから死ぬって言ってきた」と。

 

今回はSNSの中で、大阪の女との喧嘩と言う、ささいな事がキッカケでたまたま

スイッチが入っただけだろうが、その根底にあるこの女の人格形成を掌るその過程で

DNAの配列の中に不揃いなDNAが紛れ込んだのか

 

高学歴の秀才というだけではなく、大学の教鞭を執っていたという社会的にも

信頼されていた女が、ある日何かの拍子でプッツンと糸が切れたのだろうか。

 

 

 

 

待望の第2弾「続・Hyde時々Jekyll」9月1日文芸社より発売

 

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