目次24、「懺悔の涙は甘い蜜の味がする」 | カメラマン 兼 作家の備忘録

カメラマン 兼 作家の備忘録

あの頃まだJekyllから時々Hydeだった、だが今ではもうすっかりハイド時々ジキルなのだ。

 

 撮る気もない女との定時連絡のようなメールをなんとか終わらせたいと思っていた。

 

 またあの手を使うか。

 

無理難題を押し付けて「ごめんなさい」と来たら「わかりました、じゃまたいつか」・・・と。

 

 人間には二通りの人間がいる。

・上書き保存しか出来ない人

・名前を付けていくらでも保存できる人

 

俺は完璧に後者だが、旦那一筋のこの奥さんは絶対に前者であると確信を持っていたし

そんな女と会ったところで何の期待も持てないと思っていた。

 

 彼女からすぐに返事が来た。

 

 「覚悟は出来ています」・・・・と。

 

俺は「えっ、何で・・・いつの間に魔法が掛かった?」と思った。

まさかあの「富士と江の島と紫陽花」が彼女の中では

 

 「部屋とワイシャツと私」に変わってしまったのか・・・・と思った。

 

 

 

 

待望の第2弾「続・Hyde時々Jekyll」9月1日文芸社より発売


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