東北復興への障壁 | 富山よしのぶオフィシャルブログ

富山よしのぶオフィシャルブログ

富山よしのぶオフィシャルブログ

これまでも様々な東北復興への険しい道のりについて書き記してきたが、もう一回ちゃんと書いてみようと思う。

先ず、僕は被災者中心、被災地中心の復興を掲げているので、どうしても被災者の方々の生活の再建、そして被災地の新しい街づくりがそもそも視点の中心になる。 ところがいることはいるが、あまりにもその視点で活動あるいは事業展開する人は少ない。

そもそも僕の活動はボランティアで始まった支援活動だが、今は復興のための事業と政治の力を活用するために奔走している。

震災直後からボランティアという名のお金取り虫が沢山いた。

あと、全体像が見えなく、自己顕示欲求だけの人たちも沢山いた。 自分がやってて心地よい、役に立ちたい願望だけで、被災地の方々の生活再建という視点なしに、何とかお金をもらおうという人たちが本当に沢山当初からいた。

これは外からのボランティアと称する人たちだけではない。 実は被災地の中でも、やはり全体像を見ることができず、「自分のとこだけ良くなればいい」という発想で、隣の芝が青く見え、地域内でさえ仲たがいも沢山見受けられる。

これは人間の性なのか。 僕は本当はそうではないと思っているが、現象としてそのようなことが起きているのは否めない。

だから、誰かが強いリーダーシップを発揮して、しっかりと全体像と長期スパン(子供たちの将来を見据えること)を見定めて復興をやらなければならないと思い、政治のフィールドに足を突っ込んだ。

政治家しか残念ながらこの仕事できひんのです。

ところがこのような現状の中でも政治は利権と見返りまみれであるし、そもそも名誉職機能なところがあるので、危機的な状況下においては政治家は現在機能していない。

では、行政が機能するかと言えば、基本指示命令に従うので、旗振りがいないと組織としては利権づくりに勤しんでしまうのだ。

もしくは何もやらない方が自分のためだという人事評価制度の中では動かない方が良い。

また、動かなくても生き残れるのが役所であり官庁である。

時間が立つと、人間の脳は忘却の泉であり、震災の現状さえ「大丈夫だろう」と高をくくり、今起こっている惨劇さえ忘れるというか見て見なかったものとする。

これが今の復興の現状である。

箇条書きにすると以下の問題が山積する:

1. 復興ビジョンが存在しない‐どこに向かうのかわからないまま、予算だけ決まり、イメージしやすい道や防波堤や区画整理だけで、取り壊し業者とコンクリ業者だけが潤う復興政策。 ビジョンなき道は道ではない。 ゴール無きマラソンは走るとくたびれる。 どこに向かうかわからない。 ビジョンを明確に打ち出さないといけない。 その町々の特性を生かし、何で飯食うかを真剣に考え、コンパクトシティー構想を掲げ、自然の森防波堤を作り、自然災害に強い世界遺産を狙い、復興特区を生かして規制緩和から生まれる産業育成を徹底的にするというビジョンをなぜ誰も掲げないのかが不思議で不思議でたまらない。

2. イメージしやすいハード面(道など)の復興政策しかない。 生活再建のための家の確保、土地の買い上げ、事業再建のための融資基準の緩和、国策としての産業誘致、徹底した規制改革を復興特区でできるのに何一つ政策が存在しない。 びっくり仰天なんですよ。 2年4か月過ぎてんのに。 ソフト重視! ソフト重視どすえ!

3. 利権政治の山: 言いにくいが被災地の政治が機能しとらん。 利権と見返りしかやらない。 

4. 人材不足‐人材不足は数ではない。 アホみたいに何百人も派遣したところで、被災地の状況つぶさに周って、問題点発見して解決策を提示し、それを市町村単位でまとめ上げ、県と国の縦割り省庁と摂政できる人材がいないっちゅうこと。 その人材は残念ながら民間にしか存在しない。 消費者志向でサービス展開をしてきた人物にしか当たり前にわかることができないのだ。 ここに気づいてないから国と行政はややこしい。 民間人の採用、コーディネーター即戦力! これを配置しないとあきまへ。

5. 住環境と教育環境の整備を早急に! 被災地の人口流出や過疎化はこれがないと防ぐことができない。 基本優秀な人材は、自分の子供たちにも良い教育環境を与えたがる。 被災地にスーパー良い教育環境を作ることを提唱している人間がほんまいない。 ボランティアレベルではいるが、国策としては残念ながらない。 海外から有名な大学ひっぱってくるとか、そもそも日本の優秀な大学持ってくるとか。 色々本気でやらないと人残らないよこれ。

6. ゴシップの氾濫。 これがマジ多い。 暇か!と言うぐらいゴシップ社会である。 人のことあーだこーだ言うてる暇あったら前進めるために力合わせることが大事。 でも仲たがいが多い。 なぜこうなるのか? 全体を考える中の自分という位置づけを常日頃意識しないといけないが、なかなかできない。 それどころでない部分も確かにあるだろう。 まずは徹底した心理的なカウンセリングやヒアリングから気持ちの吐き出しをしてもらい、社会を作る側としてしっかりと全体像を見極める努力を皆で手をつないでやるしかない。

地道であるが、やらないといけない。

7. 公平性と言う名の不平等がはびこる。 仮設住宅も抽選で入りコミュニティーが失われる。 十羽ひとからげの政策により、生活弱者が困窮する。 事分けて、道徳を中心とし、住民で話し合いをして自己責任において意見を政治に反映させる真の民主主義の確立が必要。 法律頼りが不平等を加速する。 そもそも法律が追いついていない。 その判断ができるのが政治家だが、判断しない。 そのまま。 名誉職だから。 そのように仕立てた社会。

ほんまブルーになる表現ばかりかもしれないが、これらすべて解決しないと復興自体成し遂げられない。

普段は省庁側の復興予算の使い方や利権の問題点を指摘しているが、もっと根底に「人」の問題があることを今日は記す。

結局、モラル基準を持った、そして全体像を見据えた、そして将来の展望を持った、そしてストロングリーダーシップを持った政治家が誕生しないといけない。

これなかなか理解している人は少ないと思う。

僕は東北からは出ない。 しがらみに負ける。 本当に勝ち目はない。

現地から、そして外から有志が立ち上がらないといけない。

そのような有志これから集めていきたいと思う。