IMF基準を疑う | 富山よしのぶオフィシャルブログ

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僕がアメリカに留学し、国際関係学を学んでいた時、一番最初に教えられるのが「国家は国益によって動く」という原理原則。

世界秩序の上で、全ての国家が国益をベースにして動き、国連やIMF(国際通貨基金)も大国の国益増大のためのツールとして思惑が動く。

これは世界の当たり前とされてきているのだが、びっくりすることに日本は国連やIMFを権威と捉え、特にアメリカのいいなり、あるいは思惑によって動かされている部分がある。

アメリカの打ち立てる大義名分は常にアメリカの国益増大のためであり、自由主義、資本主義、民主主義という、あたかも人類にとって素晴らしいとされる大義名分でさえもアメリカは巧みに時と場合によって使い分けてきた。

僕はここでアメリカバッシングをしているのではなく、学んだ内容を伝えている。

まぁ、したたかなわけで。

世界の大国は当たり前だがしたたかである。

ここではIMFの基本スタンスを述べよう。

IMFというのは発展途上国に対し、財政を再建させるための政策を半ば強制的に行わせる。 IMFがつぎ込むお金をちゃんと回収できるようにして、市場を大国に開かせるのが主旨目的である。

日本も戦後マーシャルプランによってIMFの資金を投与された。

IMFの基本スタンスは政府の収入を上げ、そして支出を下げる。 要は増税と財政カットである。

この財政再建モデルがあらゆる発展途上国で使われるが、なんと未だに内閣府もこのモデルを使っている。

日本ほどの経済大国にはこの単純なモデルはもう使用不可である。 基本財政出動と金融の量的緩和をして、景気を刺激し、そして実体経済を突き動かす経済政策をしなければならない。

だからアベノミクスはもてはやされる。 第三の矢が非常に問題ありの内容ではあるが、第一の矢と第二の矢はIMFモデル、すなわち内閣府が予測することを度外視した政策なのだ。

経済的には当たり前のことだが、日本が使っている経済予測モデルがもう使い物にならない状態になっていることをここでは強調させていただきたい。

今の内閣府や財務省の経済予測では、政府の5兆円の投資に対して2兆円の経済効果しかないと予測されている。 民間のシンクタンクや新しい経済予測モデルを使うと少なくとも12兆円、多くて17兆円もの効果が出ると予測される。

経済効果が投資金額をはるかに上回るのであれば、投資は実行される。

でも今の日本の官庁の予測では効果がマイナスとされるため、投資が実行されずに来た。

この経済予測モデルを戦後相も変わらず使用し続けていることが、日本のデフレ20年間を継続させている原因である。

日本の可処分所得は20年間下がり続け、日本の所得が減り続けているさなか、やっぱり増税するのだ。

ブレーキがかかり、デフレを脱却できないのは目に見えている。

しかし、省庁の方々も真面目に計算し、その予測数値を疑わず正しいと信じ込んでいる。

政治家がリーダーシップを発揮し、今の世界経済に見合った経済予測を立て、そして投資に対する効果、増税の逆効果などを再度見直す必要がある。

要は筑波大名誉教授の宍戸駿太郎教授が言っている通り、日本経済の「羅針盤」が狂っている。

このおかげで1億人もの民が20年間苦しんでいるのだ。

変えるのは国民だが、参院選でもわかるように、今の日本の民主主義は国民が巻き込まれておらず、相も変わらず見返りの組織票や団体票だけが政治に参画する。 そうすると、経済の羅針盤を変えようなどという政治家は誕生しない。

さまよう日本。 どうすっぺ?