何気に,参与員の立会いがある裁判は初めてでした。
参与員というのは,一般国民を司法に参加させるべく導入された制度です。
裁判所のウェブサイトには以下の説明があります。
参与員は,家庭裁判所で行われる,名の変更,戸籍訂正,未成年者の養子縁組などの家事審判事件の手続の際に,審判に立ち会ったり,あらかじめ提出された書類を閲読したりして,裁判官が判断をするのに参考となる意見を述べます(家事事件手続法第40条第1項)。また,離婚訴訟などの人事訴訟事件の証拠調べや和解の試みなどに立ち会い,率直な意見を裁判官に述べるなどして,紛争を解決に導きます(人事訴訟法第9条第1項)。
参与員は,毎年あらかじめ家庭裁判所が「参与員となるべき者」として選任している人の中から,各事件について家庭裁判所が指定することによってその身分を取得します(家事事件手続法第40条第5項,人事訴訟法第9条第3項)。選任されるための特別な資格などは必要ではなく,人望があって,社会人としての健全な良識のある人から選ばれています。例えば,弁護士,公認会計士,不動産鑑定士などの専門的な資格のある人や大学教授のほか,地域社会に密着していろいろな活動をしてきた人など,豊富な社会経験のある人たちが事件の性質に応じて選任されています。
このように,参与員は個別の事件ごとに指定されるものであり,非常勤の裁判所職員です。実際に参与員に指定されて事件に関与した場合には,必要な旅費や日当が支給されることになっています(家事事件手続法第40条第7項,人事訴訟法第9条第5項)。
こんな参与員制度ですが,私が10年のキャリアで初めてだったことからも分かるように,利用率が非常に低いのが現状。
ただ,先週の尋問期日の場合は,当たり前のように参与員が入りますんで尋問で示す書証はコピーを持ってきてくださいと言われ,また先週これから尋問の別事件でも参与員入れますかという打診がありました。
裁判所的に利用率の低さを改善しようキャンペーン的なことをやっているのかもしれません(あくまで推測です)
もっとも,実際問題として裁判官が参与員の意見を参考にすることはあまりないんじゃないかと思っていました。
しかし,先週の打診の際は,裁判官から,私は,微妙な案件で,参与員が自分と同じ意見だと安心すると言ってました。
とはいえ,そうは言っても,どんな人がなるのか分からず,例えば相手方が非常に演技上手だったりする場合にそれに流されたりするかもしれないなどと考えると,弁護士の立場からは,あまり積極的にはなれないというのが正直なところです。
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