最近弁護士が懲戒請求をした相手を訴えるというのがニュースになっていましたが,これはしばしばある話です。
私も懲戒請求をした弁護士から訴えられた側の弁護をしたことがあります。
そのケースは,懲戒請求してしまったのも気持的には分かる話ではありました。
一方で,程度というところの問題から,おそらく懲戒にはならんだろうなというところでもありました。
懲戒請求がどのような場合に違法になるかについては,最高裁平成19年4月24日判決が,
請求をする者は,懲戒請求を受ける対象者の利益が不当に侵害されることがないように,対象者に懲戒事由があることを事実上及び法律上裏付ける相当な根拠について調査,検討をすべき義務を負うものというべきである
とした上で,
懲戒請求が事実上又は法律上の根拠を欠く場合において,請求者が,そのことを知りながら又は通常人であれば普通の注意を払うことによりそのことを知り得たのに,あえて懲戒を請求するなど,懲戒請求が弁護士懲戒制度の趣旨目的に照らし相当性を欠くと認められるときには,違法な懲戒請求として不法行為を構成すると解するのが相当である
としています。
請求者は請求の根拠があるかについて調査,検討をする義務があるとされているわけで,ろくに調査検討もしなくて,根拠があると軽信すれば,違法となりうるわけです。
一方で,根拠を欠いていたとしても,調査検討の上,普通の注意を払っても根拠がなかったと知り得なかったといえるような場合には,違法となりません。
私が依頼を受けたケースでは,懲戒にはならないだろうがだからといって請求が違法にまではならんだろうというところだったので,裁判所のプッシュもあって,こちらは懲戒を取り下げ,相手は請求を放棄するということで,和解となりました。
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