東京地裁の平成18年1月30日判決に,第三者から送られてきた件名「田舎から夢見て上京したトマト娘たち」というメールを開き,記載されていたURLの一つを開き,女性の画像をクリックしたところ,「入会登録が完了したので三日以内に三九〇〇〇円支払え」との催告ページがでたという事案についてのものがあります。
「田舎から夢見て上京したトマト娘たち」って(笑)
さて,こういう詐欺は9割9分の人は支払いませんが,実際支払ってしまう方もいます。
それなりに不安を煽るような作りにしているので,騙されてしまう方もおられるわけです。
私は事務所にも,しばしば,こういう事案で支払わなければ駄目でしょうか?と不安そうに相談の電話をかけてくる方がおられます。
ただ,このケースの原告は,実は弁護士で,当然支払いませんでした。
しかし,この先生,よほど腹に据えかねたのか,業者に対して,400万円を請求して訴訟を提起。
パソコンに異常がないか点検して使えるようになるまで4日かかって業務支障を来したのと,悪質な請求による精神的苦痛を被ったということで。
で,裁判所は,
原告は、弁護士であり、かかる請求に対して支払義務のないことは理解してはいたが、自らのパソコンにスパイウェアを侵入され、またパソコン内の個人情報を窃取されたかもしれないとの懸念を抱き、パソコンの点検が済むまでの間パソコンの利用を差し控えたほか、自らの権利救済のために時間と費用をかけて本訴を提起しており、被告の行為により看過し難い精神的苦痛を負ったことは明らかである。
として,30万円の支払を命じました。
詐欺が未遂に終わっている場合に慰謝料が認められたケースとしては,珍しいのではないかと思います。
別の意味で興味深いのは,この判決には「被告の主張」も記載されていることです。
普通,こういう業者は裁判に対応しなさそうなので・・・
こんなケースで,ちゃんと被告が訴訟対応してくることがあるんだなあと思いました。
![]()
にほんブログ村
↑↑↑
「弁護士吉成安友のブログ」の順位のチェックはこちら!
こちらも!
法律問題,顧問弁護士なら,MYパートナーズ法律事務所 !!