無印良品、カインズに勝訴 棚そっくり、販売差し止め | 弁護士吉成安友のブログ

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荒川区西日暮里に事務所を構える弁護士。
大分県豊後高田市の若宮八幡神社の宮司を900年務める家に生まれ,神職資格を持つ。
Rockな魂と仕事への情熱であらゆる分野で最強を目指し日々研鑽しています!

 日が変わって,9月に入りました。

 本日もまだ仕事中です。

 8月は裁判所の休廷期間が入るので期日だけでなく,締め切り自体も少ないのですが,9月は平常通りになります。

 そして,業務状況を管理しているエクセルのファイルを見たら,ヘビーな案件の締切りが後半集中していて,どんどん前倒しでやっていかないとやばいよやばいよって感じです。

 さて,「「無印良品」のブランドで生活雑貨を扱う良品計画(東京都)が、自社の開発した収納棚とよく似た商品により営業上の利益を侵害されているとして、ホームセンター大手のカインズ(埼玉県)を訴えた裁判の判決で、東京地裁(柴田義明裁判長)は31日、高い類似性を認め、商品の廃棄と販売差し止めを命じた。」そうです。

無印良品、カインズに勝訴 棚そっくり、販売差し止め(中日新聞)

 法的には何の問題かというと,不正競争防止法の問題です。

 ここで,上記記事は,「柴田裁判長は無印の棚について「大規模な宣伝販売活動により、消費者の間で無印のデザインと認識されるようになった」と指摘。カインズの棚は「正面だけでなく、横や斜めから見たときの特徴も同一で、部材の直径や棚板の厚さが1ミリ程度違うだけだ。見た目で直ちに判別できない」と述べた。」と続いています。

 判決文を見たわけではなく,ネットに上がってきた記事をぱっと見ての感想なんですが,「大規模な宣伝活動により・・・」などとあるということは,不正競争防止法第2条1項3号の商品形態模倣頒布行為よりも,同項1号の周知表示混同惹起行為が主戦場になったんだろうと。

 3号は,

他人の商品の形態(当該商品の機能を確保するために不可欠な形態を除く。)を模倣した商品を譲渡し、貸し渡し、譲渡若しくは貸渡しのために展示し、輸出し、又は輸入する行為

としてます。

 これに対し1号は,

他人の商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表示するものをいう。以下同じ。)として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供して、他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為

としています。

 ここで,商品の形態も,商品等表示に当たりうるのです。

 そして,先ほどの記事からすると,「需要者の間に広く認識されているもの」であるかが争点になっているようで,1号の方が主戦場になったんじゃないかと思われます。

 1号の方が,単にまねられただけでなく需要者の間に広く認識されていることが必要で,ハードルが高いのになぜと思われるかもしれませんが,3号の場合は,3年で適用除外になってしまいます。

 不正競争防止法19条1項5号イが以下の行為を3号の適用除外にしているのです。

日本国内において最初に販売された日から起算して三年を経過した商品について、その商品の形態を模倣した商品を譲渡し、貸し渡し、譲渡若しくは貸渡しのために展示し、輸出し、又は輸入する行為

 単に,商品の形態をまねされただけだと3年で文句が言えなくなるわけです(3年以降の行為については)

 だから,1号が主戦場になったんじゃないかと。

 まあ,何分断片的情報から書いているだけなので,違ってても怒らないで下さい(笑)


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