間違いやすい祝日がある場合の期間満了日 | 弁護士吉成安友のブログ

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荒川区西日暮里に事務所を構える弁護士。
大分県豊後高田市の若宮八幡神社の宮司を900年務める家に生まれ,神職資格を持つ。
Rockな魂と仕事への情熱であらゆる分野で最強を目指し日々研鑽しています!

 一時期夜に弱くなって深夜まで仕事をすることが少なくっていたんですが,最近,また深夜まで仕事をすることが増えてきました。

 深夜まで仕事をするようになると,気分転換的にブログを更新することが増える傾向があります。

 そんな深夜の仕事中にふと来月休みどれくらいあるかなと(起案関係は相談や打ち合わせのない休みの日の方が進みます),9月のカレンダーを見てみたら,なんか全然シルバーウィークって感じじゃなかったです(笑)

 シルバーウィークどこへ行った?(2015年とかが特別だったんですかね?)

 話は変わりますが,弁護士の仕事をしていて気をつけなければいけないことの一つに,「期間」というものがあります。

 少し前に相手の給料の差押えをしましたが,このとき,いったんやると決めてからは次の給料を取れるように間に合わせようと急ぎました。

 ここで,給料日前に差押命令が出れば,間に合うということではありません。

 民事執行法は,「債務者に対して差押命令が送達された日から一週間を経過したときは、その債権を取り立てることができる」としています。

 差押命令が出てから一週間という期間が経過しないと,取立てができない(支払ってもらえない)ので,それにあわせた早いタイミングで手続をしなければならないわけです。

 ところで,以前相手方が調停調書に基づいて預金を差し押さえてきたのに対して,請求異議訴訟を提起したうえで,強制執行停止を申立てたことがありました。

 ぎりぎり間に合ったと思ったら,既に銀行が支払っていて・・・

 このとき,実は,支払った時点で差押え命令が相手に届いてから1週間は経過していたんです。

 じゃあ,問題ないじゃないかと思われるかもしれません。

 しかし,ここで,先ほどのシルバーウィークの話の伏線が生きてくるわけです(笑)

 実は,届いた日の翌日(期間計算において初日は不算入です)から7日目が,祝日だったのです。

 それの何が問題か?

 今年の9月のカレンダーでいうと,9月11日に命令書が相手に届いていたとしたら,初日不算入で8日目である19日には1週間が経過しています。

 ところが,その前日の18日は祝日です。

 ここで,19日自体は平日なので,19日に支払ってしまっても問題なさそうな感じがするところかもしれません。

 しかし,民法142条は,

期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律 (昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する

としています。

 「限り」とありますが,裁判所は,祝日(休日)は暦通り休みなので,「取引をしない慣習」があります。

 それゆえ,裁判所関係の期間の計算においては,数字上の期間満了日が祝日の場合,その翌日が期間満了日になります。

 従って,19日が期間満了日になるため,20日になって初めて取立てができるための期間が満了したことになるわけです。

 ちなみに,先ほどのケース,当初の対応が何か問題あるんですか的な自信満々な感じっだったんで,一応確認した上で再度電話をして,ガツンと言ってやろうと思ったのですが,再度の電話の際のその部署の電話受付がなんと友人の奥さん(奥さん自体も何度も会っている)だったので,なんか気勢がそがれました(笑)

 まあ,相手のミスが明らかで結果として対応してもらえましたし,むやみに感情的になる必要もなかったので,かえってよかったかと(笑)


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