先日,時事ネタがらみで,弁護士報酬の話を書きました。
弁護士報酬については,かつて弁護士会の報酬規定があったのですが,平成16年に廃止され,現在自由化されています
自由といっても,弁護士職務基本規程第70条に,「弁護士は経済的利益事案の難易時間及び労力その他の事情に照らして適正かつ妥当な弁護士報酬を提示しなければならない」とあり,適正かつ妥当なものでなければなりません。
そうしたとき,やはり基準となるのは,廃止された弁護士会の報酬規定です。
うちも,基本的にはこれに準拠しています。
これによると,例えば,民事事件の報酬は次の通りです。
着手金
300万円以下:8%
300万円~3000万円以下:5%+9万円
3000万円~3億円以下:3%+69万円
3億円以上:2%+369万円
報酬金(成功報酬)
300万円以下:16%
300万円~3000万円以下:10%+18万円
3000万円~3億円以下:6%+138万円
3億円以上:4%+738万円
例えば,300万円請求する訴訟を起こして,無事完全勝訴したケースでは,着手金が24万円(ただしうちの事務所の場合最低が30万円なので30万円),成功報酬が48万円ということになります。
だいたい,4分の1くらいが弁護士報酬というイメージですね。
同じ事案で判決が100万円だけ認めた場合は,成功報酬が16万円ですね。
ところで,最近,相談などを受けて,当事務所の報酬基準を示した時,ものすごく安い事務所もあるんですって話を聞くようになりました。
これは,そうしないと客がこないとことかもしれませんが,正義感や使命感からそうしてるということもあると思うので,動機部分はなんともいえません。
ただ,結果としては,あまり安くすると,それだけ多くの案件を抱えたり,スタッフ等に任せる部分が増えて,質が落ちるのは避けられないんじゃないかと。
少なくとも,私は,一つ一つの事件に1ミリの妥協もなく200%以上の力を投入したいと思っているので,それができなくなるようなことはしません。
そうした経営面での話だけでなく,自分の仕事の価値を評価して,信頼してくれる方の依頼を受けたいと思います。
そして,その評価,信頼に応えていくために自分の全てを投入する。
もちろん,事案の性質や状況で真に妥当と思われる場合には,これより安くしたり,着手金を抑えて,実際に取れた場合の成功報酬を高くするということがあります。
また,どう頑張っても資力がない方で,気の毒で見過ごせないケースなどは,私も法テラスが利用が可能な形にしているので,そこを満たす方であれば,法テラスの扶助で引き受けたりはします。
しかし,一見顧客のためということで安易に値を下げるということは,大局的にも,そしてその顧客のためということでも,良いことだとは思いません。
一方で,逆に,聞いてびっくりするくらい値段設定の高いところの話も聞くようになりました。
そんなに結論が変わる要素がない件で,なんでそんな突出した額を取るの???とか,酷いケースだと,それだけ金とってなにやっとんねんと。
今のところ,そうした極端に高いところの話で,これならこれだけ出す価値はあるよなと思うような話は聞いたことがありません(そもそもの話を聞いた数がそれほど多いわけではないので,現実には,値段相応の価値があるところもあるかもしれませんが・・・)
まあ,結局のところ,弁護士を選ぶ際,報酬基準的な観点では,基本的に,旧弁護士会報酬規定と大きく違いのないところが無難なんじゃないかと思います。
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