朝から,ショック。
ほぼできあがっていた新件の訴状が,なぜか途中の段階に戻っている・・・
USBで作業をした新しいデータをパソコンの古いデータに上書きしたつもりが,逆に・・・
まあ,再度作成しているうちに閃いた部分もあるので,結果オーライとしよう。
さて,先ほどもそんな記事を見かけましたが,裁判の報道で,「第1回口頭弁論期日が開かれたが,被告側代理人は欠席した。」という記事をしばしば見かけます。
そして,そういう記事には,欠席したこと自体についても不当であるかのようなニュアンスがこもっていることがあります。
ただ,被告側代理人が第1回目に欠席するのは全く珍しいことではなく,私自身も被告側の代理人になった場合,1回目は欠席することが多いです。
まず,第1回口頭弁論期日は,原告側の都合だけで日程が決められるので,既に予定が入っているということが少なくありません(2回目以降は,双方の都合を聞いて決められます)
また,民事訴訟法上も,第1回目は,出席をしなくても大丈夫なのです。
民事訴訟法158条は,
被告が最初にすべき口頭弁論期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしないときは、裁判所は被告が提出した答弁書に記載した事項を陳述したものとみなして、出頭した原告に弁論をさせることができる
としています。
これを擬制陳述といい,答弁書を出しておけば,第1回目については,出席しなくても,その記載を陳述したことになるのです。
もちろん,答弁書を事前に出すことが必須ですが。
そもそも,裁判というのは,終盤に行われる尋問期日以外は,基本,書面のやりとりで進んでいきます。
裁判の期日というと時間をかけていろいろなことが行われるイメージがあるかもしれませんが,ほとんどの期日は短時間で終わり,5分もかからないことも少なくありません。
裁判官「原告は,原告第2準備書面を陳述しますね。」(*準備書面は前もって郵送ないしファックスしています。)
原告代理人「はい」
裁判官「それから,書証は,甲5号証から10号証を提出ということですね。原本は甲第6号証だけですか」(書証も前もって写しを郵送ないしファックスしています)
原告代理人「はい」
裁判官「それでは,原本を取り調べます」
(原本を書記官を通じて裁判官に渡し,裁判官が確認し,それから被告代理人も確認)
裁判官「被告は,原告第2準備書面に反論しますか」
被告代理人「はい」
裁判官「準備にはどの程度かかりますか」
被告代理人「通常通り1ヶ月程度で」
裁判官「それでは,次回期日,2月20日午前10時でいかがですか」
原告代理人「すみません,差し支えです」
裁判官「3月5日午前10時か午後1時15分はいかがですか」
被告代理人「すみません,その日は終日差し支えです」
裁判官「3月12日,午前10時か午後1時15分はいかがですか」
両代理人「はい,いずれでも」
裁判官「それでは,次回期日は3月12日午前10時に致します。お疲れ様でした。」
と,こんな感じなことが多いんです。
特に第1回は,次回までに,被告が訴状に対する認否,反論をするということが確認されるだけであることが多いです。
答弁書では,原告の請求を棄却する判決を求めるなどとした上で,訴状の記載事実に対する認否については「追って認否する」とし,被告の主張は「追って主張する」としていることが多いからです。
訴えは,原告のタイミングでするものですから,一般に,原告の方では十分な準備をしています。
一方,被告は,訴状を受け取ってから弁護士を探すなどすることも多く,第1回目の期日までの期間では調査検討に十分でないことも多いため,弁護士が代理人になった場合には,答弁書は形式的なものとして,第2回目に認否,反論を行うことが多いのです。
そうしたことから,第1回は,被告側代理人が出席しても欠席してもあまり変わらないということが多いわけです。
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