先週から、中国地方にお住まいの受講生と
Skypeを使ったオンライン写真教室を始めました。

第一回は建物の撮影。

企業のビルや、お店の外観の撮影のテクニックです。

その中でお話したGoogle Mapの便利な使い方をご紹介します。
と言っても、「そんなの知っている」
といわれるような話かもしれませんが。

カメラマンは、地方都市や行ったことのない場所でも
ビル、店舗の撮影をします。

大きな案件や時間がある場合は
事前にその建物の立地、様子を
見にいくことがあります。

しかし、ほとんどの場合は撮影当日
初めて現地をおとずれることになります。

そして、その場で撮影条件がとても厳しい
ということに気が付くことがあるのです。

ところが、Googole Mapと、ストリートビューのサービスが始まってからは、
どんな遠隔地でも、ある程度、様子がわかるようになりました。

1 入口はどっち向き?

一番大切なのは、その建物が東西南北
どちらを向いて、たっているかということです。

南向きにたっているなら
一日中、その入り口は明るく陽がさしているでしょう。
でも
北向きにたっているなら(店舗に多い)
一日中、入り口は日陰になっています。
北向きの建物は、時間帯によっては
太陽が画面上部に入ってしまうような
ま逆光になるケースが多いのです。

2 目の前の道路は何車線?

いくらワイドレンズを使っても
建物から離れられなければ
その全体を画面に入れることはできません。

建物の前の道路の幅は、大事な撮影条件のひとつです。

この2点だけでも事前にわかっていると
何時ごろ、撮影するのがベストか
ということまで推測することができます。

$カメラマン吉村隆の写真教室

これは、昔の職場のご近所だったウナギ屋さんに
頼んで撮らせていただいた外観写真です。(2006年撮影)

このお店を初めて訪問して撮影するとして
Google Mapを使ってロケハンしてみましょう。


まず、撮影するお店の住所をGoogle Mapに入れて地図を表示します。

稲毛屋 東京都新宿区中落合2丁目1-15-104
(ランチおすすめのお店です。)

最初は地図を見ます。
お店が入っている建物は
目白通りの小さい交差点に面してたっていることがわかります。


大きな地図で見る
(拡大表示してください)

お店の入り口は、当然、道路に面していますから
この建物は地図の上=北側か、地図の右=東側に
お店の入り口がある可能性が高い
ということが推測できます。


次に航空写真を見ます。
太陽は地図の下=南側を
右=東から左=西へと移動していきます。
写真でも建物の影が、右上(北東)に
大きく写っているのがわかります。

ということは、
この建物の入り口は
朝いち以外、ずっと日陰の可能性が高いと推測できます。

目白通りは4車線の道路です。
目白通り側に入口があれば
かなりひいて(離れて)撮影できそうです。


大きな地図で見る
(拡大表示してください)

最後にストリートビューを見ます。

まず、お店の入り口を探します。
お店の入り口は、交差点から少し離れた
目白通り側にありました。

舗道は普通の幅ですが
お店の前にイチョウの木とバス停があります。

このため、もし目白通りの向かい側から撮影しようとすると、
この木やバス停がお店にかかる(邪魔になる)
可能性が大きいと推測できます。
実際、目白通りから撮影したストリートビューでも
お店の入り口がみにくい状態です。

ということは、お店が面している
舗道上から撮るのが最適なようです。

実際、最初の写真は
お店の前のイチョウの木とバス停の間から撮っています。

ストリートビューでは、交差点の反対側や
周囲のビルの高さなどもチェックしましょう。
朝いちに撮ろうと思ったら
向かいのビルの影になっていた
なんていう経験もあります。


大きな地図で見る

いかがでしょう。

お店の外観を見ることができるだけでも
かなり安心できますね。

吉村隆 Photo Office
仕事で使える!個人指導の写真教室
1回だけでも受講できます!
出張指導クラスもあります。