朝日俳壇、歌壇より(5月18日) | 残日録

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 昨日は大阪都構想の是非を問う住民投票の投票日でした。橋下大阪市長らの掲げる大阪市を解体し、5つの特別区と大阪府で行政を行うというものの是非を問うものでした。
 投票結果は50.38%対49.62%で都構想は否決されました。
 大阪市民でない私には選挙権はありませんが注目していました。「反対」の立場でいろんな人が様々な活動をされたいたそうです。本当にお疲れ様でした。そして民主主義をありがとう。橋下は消えてなくなれ。
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 18日付の朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇衣替へて風のきれいな日と思ふ(東京都・鈴木節子:長谷川櫂選)
 衣替えして身も心も新たになったよう。「風もきれいな日」とはうまい。季節感の薄れている現代では大切にしたい。

◇粛粛と戦ふ国へ昭和の日(高松市・島田章平:大串章選)
 粛々とかどうかはわかりませんが、戦争関連法案が14日閣議決定され、国会で議論されることとなった。この日からもはや戦前と、
<戦前の静かな夏日帰路遠し>ゆみこ
と詠われた方もおられます。

◇伸びる草反転したき気分あり(市原市・斉藤圭子:金子兜太選)
 難しい作品が多いですが、この「反転したき気分」とはどういうことでしょう。根を逆さまに倒立でもしたい気分なのでしょうか。

◇膝口に傷あり蝶に追い越され(静岡市・木ノ下葉子:金子兜太選)
 ゆっくり歩いていると蝶にも追い越されてしまう。作者は膝に傷、私は左足麻痺。

◇来年は捨てる約束更衣(橿原市・中川幸子:金子兜太選)
 私なら、「捨てる覚悟」としてしまう。やはり「約束」がいい。

◆朝日歌壇
◇腰曲がる妹が作りしキャベツなり福島の土の黒きを洗ふ(三鷹市・増田テルヨ:佐佐木幸綱/馬場あき子選)
 福島産の野菜、それも身内が作ったもの。愛おしくいただくしかない。

◇格納容器あまた抱えし列島にしづごころなく花散りにけり(福島市・美原凍子:高野公彦選)
 格納容器即ち原子炉と散る花の対比、何かうそさむい。

◇「もう二度と戦場へ遣らぬ」母ら亡く  女性閣僚靖国に揃う(岸和田市・西野防人:永田和宏選)
 息子や夫を戦地に送った母の世代は少なくなったが、悲しい、悔しい思いは伝えていかねばならない。ネトウヨの内閣だからこそ。

◇ブロンズの裸婦像の髪三つ編みに編まれて夜の雨はしたたる(熊本市・垣野俊一郎:永田和宏選)
 こういう詩情のある歌も心すっきりするものだ。

◇根尾谷の淡墨桜(うすずみざくら)咲き満ちてしづかなり人人の息(熊谷市・内野修:永田和宏選)
 若い頃には能郷白山への登山や老いては温見峠超えサイクリングなど馴染みの根尾谷ではあるが桜の季節に行ったことがない。作品のように見物客の息遣いまで聞こえてきそうなのか。

◇消しゴムのピンクのかすを丸め置く子はやや高く髪を結んで(横浜市・中西紀子:馬場あき子選)
 消しゴムのかすと高く結んだ髪。娘の成長をうまく詠んでおられる。