世界大恐慌 | 知財業界で仕事スル

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知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…

株価がどんどん下がっている、というニュースがやかましい。
http://mainichi.jp/life/money/news/20081011k0000m040078000c.html


ここ3年近くは、株とはほとんど無縁の生活をしているが、ちょっとみてみた。
http://finance.yahoo.com/echarts?s=%5eDJI#chart9:symbol=^dji;range=19281001,20081009;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;ohlcvalues=0;logscale=on

表示はLOG(対数関数)である。LOGでなければ、今と当時とをまともに比較できない。LOGにすれば、変動率で比較できるようになるので、当時と今とを比較できるようになる。
当然のことだが、平均株価がまったく異なる1929年ごろと今とを変動幅で比較して「過去最大」とか言っても、新聞記者による煽りネタにはなるかもしれないが、それ以上の意味は無い。

このLOG表示で比較してみると、1929年に始まる大恐慌のときに匹敵するような状況にはまったく至っていないことがわかる。引用した新聞記事では、さすが新聞記者のプロが書いただけのことはあって、十分な煽りが入っている(笑)。


ひとつ思い出すのは、ブラックマンデー。これは1987年10月。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%BC
このときには、1日の下げがすごかったのだが、すぐに止まった。今回は、大きな下げが連続しており、総体的に見るとブラックマンデーよりきつい下げになっているように見える。


さて、問題の世界大恐慌。これは1929年10月。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E6%81%90%E6%85%8C

なかなか興味深い。
Yahoo Financeのグラフで見ると、株価が底をうつのは約3年後。大変なことだったろうと思われる。
変動率の大きさとしては、これに匹敵する箇所は他には無い。ブラックマンデーも今回も、世界大恐慌のときにくらべたら、赤子のようなもの。ただし、今回はまだ下げ止まっていないようなので、これからひょっとして、というのはもちろん可能性としてはあるわけだが。

このWikipediaの説明によると…


日本では…
「高橋是清蔵相による積極的な歳出拡大(一時的軍拡を含む)、円の切下げ、アジア貿易への依存、重工業化へ向けた官民一体の経済体制転換を打ち出す。安価な綿布や雑貨を大量に輸出して1930年代後半には世界に先駆けいち早く大恐慌前の水準を回復した」

このスピード感のあるリーダーシップを、今の日本の政治家に是非勉強していただきたいものだ。


もうひとつ興味深いのは、ソ連。
「ソ連は共産主義国家だったため、主要国の中でただ一国世界恐慌の影響を全く受けず非常に高い経済成長を続け、以後、スターリンの推進する五カ年計画で着々と工業化を進めていった」
とのこと。
これから本当に大恐慌になったら、ロシアもソ連体制の方がよかったとか、中国も純粋共産主義を維持していた方がよかったということになるかもしれない。




今回の株価の下げと同時に、バブルと言われていたオイル価格も落ちている。これの落ち具合と、今後起きるであろう株価の反発とは結構関係しているはずと私は読んでいる。オイル価格が早く落ちれば落ちるほど株価の反発は早まるということ。

これだけ落ちると株購入をぼちぼち視野に入れた方がよい気になってきているが、いかんせん、一度やりだすと気になるので本業がおろそかになるのが問題である。