The One Thingの続き | 知財業界で仕事スル

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知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…

City Slickersででてきた「The One Thing」とは近いような遠いような話です。

The One Thing You Need to Know(Marcus Buckingham著)
(「最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと」という長いタイトルで日本語版も出ています。)
この書には、「成功するマネージャー」、「成功するリーダー」、「成功する個人」の3側面から合計3つの「The One Thing たったひとつのこと」が説明されています。私にとっては、目からうろこが落ちた大事な本です。

これらに興味のある人は、ご自分で読んでいただくとして… 私が今日書くことは、リーダー、マネジャーに関する「たったひとつのこと」の話しに入る前に「前振り」として記載されている、「成功する結婚」についての話。


離婚が増えています。私のように2回離婚して、3回結婚するところまでいく悲惨な人は多くないけれども、増えていることは間違いない。
離婚はしない方がよいに決まっているので、長年、長続きする結婚が成立するための条件が研究されてきました。最初の頃は、「離婚した夫婦」を反面教師として、彼らから情報を集め、離婚の原因の「反対」を考えることで解決法が見つかるのではないかと考えられたようです。で、調べてみると、夫婦のいずれもが相手のことをよく理解していなかったことがわかりました。

それで、「Love is blindではだめなんです」「相手のことを理解するように勤めましょう。それが夫婦円満の元」「相手の言うことをよく聞いて、素直な目で相手のことを理解しましょう。そうすると、相手の強みや弱みが見えてきます」「相手の優れた面を愛し、足りない面を補ってあげる。そうするとことで、二人して相互補完の強い関係ができます」「素直に相手を理解すれば、相手はそれを感じ取り、絆は深まります」ってなことが、専門家(カウンセラー)によってアドバイスされるようになりました。

しかし、どうもそれでは効果がでない。天才バカボンのパパの名言「賛成の反対は反対の賛成なのだ」みたいなことをやっていることになっていたようなのです(笑)。

で、研究対象が、カウンセラーのところにやってくるのでサンプリングが容易な破綻夫婦から、「すばらしい結婚生活を送っている」夫婦へと移っていきました。

そして、上で書いた専門家に推奨されていた方策と、長年円満な夫婦との間には、相関関係がほとんど無いことがわかってきました。逆相関(相手を理解しようとしない方が夫婦円満をもたらす)ということではありません。両者はどうやら無関係なのです。

著者が引用したアンケート結果(Dr. Sandra Murryによる)には、夫婦円満レベルとの強烈な相関関係が認められたものがありました。それは一言で言うと「Delusion」でした。辞書によると、「Delusion」は誤った信念[考え・意見]、思いこみ、妄想(事実を説明されてもなかなか変えられない誤った考えや思いこみを指す)となっています。たとえば、円満夫婦の夫は、すべてのアンケート項目において、妻に対する評価が妻自身による自己評価より高いのでした。
まさしく、Love is blind状態がそこにあったのです!


伴侶に対するポジティブな幻想が夫婦円満の秘訣、というのがこの場合のThe One Thingということになるのでしょう。
著者の表現によると“Your positive illusion will make your love last."(ポジティブな幻想が愛を不滅にする)。

現妻との結婚生活は約11年になりますが、よくわかる気がしました。(妻の方はどう思っているのか知らないけれども)