空気を読まないのはよいことだ! | 知財業界で仕事スル

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知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…

「あうんの呼吸」をやめて組織を強くする
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20080606/160774/


この記事によると、日経ビジネスNB onlineで、08年4月にアンケートを行った。
私が驚いたのは、回答者のうち85%が職場で外国人と一緒に働いたことがあると答えた点。この日経のウエブサイトを読んでいる日本人層に偏りが相当あるのだろうとは思うが、それにしても85%とはすごい。

最近「空気を読む」というのがえらく流行ったが、それとこの「85%」は大きくミスマッチしているように思う。異文化交流が必要な職場が相当に多いのに、一方で「空気を読む」ということが重視される。不思議なことだ。


外国人と働いたときに意思疎通に問題があったと答えた人のコメントとして「文化の違いが常識の違いを生み、…(しかし)…同じ人間なのだから通じないことはない」とあった。私もまったく同感である。
しかし、通じるためには、通じるための努力をしなければならない。超能力者のように「空気」から相手の考えていることを読んでも、ほぼ100%はずれているといって断言してよい。

では、何故に、そのような面倒を受け入れなければならないのか?外国人が入ってくるのがマイナスなら、極端な話「鎖国」してしまえばよいのだ。


筆者は、次のように議論を展開する。
「多様な価値感を持つ人材が一緒に働くことは、組織を活性化させる原動力になるようだ。アンケートではコミュニケーションの難しさを挙げる人が多かった一方で、そこから得た新たな視点や発想が大きなメリットになったという声も多く見られた。換言すれば、多様性を受け入れられない組織は、経済環境の激しい変化の中では生き残っていけない可能性すらあるということ。そのことを肌で感じている現場の声には説得力がある。」

そしてこの記事は、
「多様性を受け入れることが組織を強くする――。真にグローバルな企業に求められるのはこの視点であるのは間違いなさそうだ」
で締めくくられている。


「空気読み」が成立する組織は、多様性を受け入れた「空気読み」が成立しない組織に負ける。
多様性が力になるのだ。
多国籍という多様性だけでなく、さらにもう一歩進んで、日本人の間であっても「空気を読めない」などといって多様性を否定するのではなく、日本人の間にも広がりつつある多様性を尊重する文化を育むことが組織を強くするのだろうとも私は考える。

うちの事務所の強さが「多様性」にある、と言えるようにもっていきたいものだと思う。これが、「脱工業化」社会を生きる道だと思う。