ロシアの思惑、アメリカの思惑 ウクライナ問題の本質はバイデン氏の中間選挙対策だ | 木村佳子のブログ

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社会とのコンタクトポイントの一分野として経済・株式市場をとらえ、分析する過程で資産運用力を磨き、人間として深い「知」を獲得しよう

 

今年二回目の投稿です。youtubeで月・水・金動画を公開していて、今日はそこでは解説しきれなかったポイントについて執筆します。

 

さて、目下ロシアのウクライナ侵攻がマネーマーケットのボラテイリティの源泉となっていますが、プーチン大統領とバイデン大統領の行動から背景と思惑を押さえておきたいと思います。

 

プーチン氏は

●冷戦構造終結後、西欧諸国側はソビエト連邦共産主義を脅威としたNATOの拡大はしないという話を前提に祖国運営を続けてきた

●にも関わらず、米国、EUはNATOの拡大(軍事的脅威に備えて軍備増強)を続けている。

●ウクライナまで、NATOに加盟するようでは我々ロシアに対する重大脅威として行動も辞さない

 

というロジックですね。これはもっともな話だと思います。

ロシアを脅威だとして軍事同盟を強化され続ければ、ロシアは対応せざるを得ない。

 

それに対して、バイデン大統領は

●米国はNATO軍事同盟に何か事が起こったとしても、介入しない

と発言したわけですね。繰り返しこういう発言をしました。

 

するとプーチン氏にしてみれば、

「そうか、アメリカは出てこないんだな」と思いますよね。

じゃあ、ウクライナがNATOに加盟するようなことは許さん、ということを行動で示さなければならないというモチベ―ションが上がる。

 

 

じゃあ、ウクライナ大統領はここでどう動けばよかったか。戦争を回避する行動はとれなかったのか。

国民を救う方法はなかったのか。

 

プーチン氏と交渉して、

☆軍事行動はやめてくれ

☆その代わりNATOには加盟しない

という主旨で行動すればよかったのではないでしょうか。

 

あるいは玉虫色ののらりくらり作戦で行動してもよかったと思います。が、徹底抗戦をしめした。そしたら、プーチン氏はロシア国民にメンツ丸つぶれです。行動するしかなくなる。

つまり、プーチン氏をたきつけたのは米国バイデン氏であり、誰かに空気を入れられたウクライナ・ぜレンスキー氏といえます。

 

では、利害で考えると誰が得をし、だれが損しているのでしょう?
 

まず、ロシアは石油しか主力商品がありませんから、緊張が高まれば高まるほど石油価格が上がり、儲かります。

なので、プーチン氏にとってウクライナ侵攻は「米国も出てこないし、石油で儲かる」 おまけにウクライナのNATO加盟阻止でロシアがNATOの脅威にさらされるのを減じられる。いいことずくめです。

ウクライナが徹底抗戦し、ロシアともめ続ければNATO加盟はむつかしくなります。もし、ウクライナ加盟を認めれば、それは即、EUとロシアの対立になり、ロシアからのエネルギー供給は止められてしまいます。するとロシアにエネルギーの4割を依存しているEUにとって死活問題になります。

 

アメリカはロシアに「行動せよ、今しかないよ」と後押ししたようなものです。

ロシアにとって、エネルギーで優位に立つには冬場の今しかないからです。

 

では、アメリカにとって何がいいのか。

EUの困窮でアメリカは優位に立てます。米ドルも暴落せず、アメリカ国債への資金流入も続きます。

比較優位の観点から、EUで資金運用しようというより、アメリカで資金運用を考える方がリスク軽減となりえますので、アメリカ株式市場にとっても歓迎なのです。

 

巨額債務、巨額貿易赤字を抱えるアメリカにとって、石油上昇はインフレ進行となり借金の実質減額を導けます。

しかも、石油価格は米ドル建てですから、石油価格上昇でドルは一定の価値を維持できて輸入品のコストを抑えられる。

 

また、EUにウクライナ難民が押し寄せ、地域紛争が増したり、ウクライナが諸悪の根源としてEUとの関係が悪化し紛争が増したり、逆にウクライナ支援ともなれば軍備を増強しなければなりませんからアメリカの軍事産業にはビジネスチャンスです。貿易赤字軽減にもなります。

 

ロシアにウクライナNATO加盟阻止の行動を促進させることはアメリカの景気経済をよくすることになりますから、すなわち、これら一連のバイデン氏の行動は、中間選挙対策なのです。

 

アメリカとしては、ロシアとウクライナの紛争が高まれば高まるほど儲かります。軍需品は売れる。アメリカの国債にもお金が流れ込んでくる。これで金利急上昇は押さえられる。米国株式市場にもお金が流れ込む。

 

ロシアも石油価格上昇で儲かります。

 

したがって、夏場まではこうしたいざこざは続く可能性かあります。ウクライナ支援(軍需品増強)には日本のお金が使われる可能性がある。

きっと、「人道支援として〇〇〇億円を国連を通じて拠出し、ウクライナ国民の人権と安全を担保すべき行動をとることにいたしました」みたいな話になることでしょう。

すると7月に参議院選挙を迎える岸田政権にとっても国際版・正義の味方としての格好がつく。

 

11月の米中間選挙前に景気・株高を実現させたいバイデン政権が中間選挙対策としてプーチンにこぶしを振り上げさせたのが真相だというのが私の見立てです。

 

株価についてはまた、後日、youtube「木村佳子の気になる銘柄」とこのアメブロにコラム続報を執筆します。

さて、講演会のお知らせがあります。

いずれも主催は日本証券新聞社です。

 

 

 

 

こうした国際情勢をフォローザマネー(お金の流れ)の視点でお話しし、銘柄についても紹介していきますね。